タイトル:平成11年秋の褒章について



発  表:平成11年11月2日(火)

担  当:労働省労働大臣官房秘書課

                 電 話 03-3593-1211(内線5031)

                     03-3502-6707(夜間直通)









1 平成11年秋の褒章受章者は、10月19日(火)の閣議で決定され、上奏裁可を仰

 いだ後、11月3日(水)付けで発令される。

  労働省関係の今回の受章者は、黄綬褒章44名、藍綬褒章5名の計49名である。



2 褒章は、民間の人を対象として、各都道府県知事等から推薦された方々の中か

 ら選ばれた人たちに授与されるものである。

  黄綬褒章は、多年同一職種に精勤し、技能の向上、後進の指導育成等に業績の

 あった方々に授与され、藍綬褒章は労働委員会等の委員等で永年労働者の福祉の

 増進並びに労働行政の発展に寄与された方々に授与される。



3 労働省では、来る11月11日(木)中央合同庁舎第五号館において褒章伝達式を

 催し、労働大臣からこれらの受章者に伝達する予定である。受章者は、伝達後皇

 居に赴き天皇陛下に拝謁する。



4 受章者の中には、次の方々が含まれている。





 (1)入江 久一(いりえ ひさかず)(鋸製造工86歳 京都府)黄綬褒章



  71年もの長きにわたり終始、鋸の製造業務に従事し、その間、常に技能の研鑽

 に努め、卓越した技術を有し幾多の考案、改善によって生産効率の向上に貢献し

 た。特に、「弦鋸」製作の技能については業界における第一人者であり、櫛など

 を作る場合に用いられる厚さ0.1oの極薄刃の弦鋸を手作業で製作する。

  氏が製作した特殊な弦鋸によって、和歌山県熊野速玉大社の国宝蒔絵櫛(室町

 時代)の複製や伊勢神宮式内遷宮祭の神宝櫛、また、皇后陛下が式典で使用され

 た柘植櫛などが製作され、業界の至宝ともいうべき存在である。

  なお、平成9年に卓越した技能者として労働大臣表彰を受賞している。





 (2)中ノ子 富基子(なかのこ ふきこ)(博多人形師71歳 福岡県)黄綬褒章



  約4百年の歴史を持つ博多人形作家の家に育ち、幼少の頃より、福岡県無形文

 化財である叔母の中ノ子タミ氏から博多人形の製作技術及び伝統技能の指導を受

 ける。その後、中ノ子人形の伝承者として認められ、タミ氏の養女となり黒田藩

 官業製陶所に発する中ノ子家に伝わる人形の技能、技法を忠実に伝承、研鑽し、

 昭和37年中ノ子富基子博多人形工房を設立自営し今日に至っている。

  通産大臣賞や中小企業庁長官賞等数々の賞を受賞しており、昭和51年には伝統

 工芸士の認定を受けるなど、人形業界の代表的な技能者として尊敬されている。

  なお、平成8年に卓越した技能者として労働大臣表彰を受賞している。



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