タイトル:平成9年賃金労働時間制度等総合調査結果速報

     週所定労働時間 平均で40時間下回る

     完全週休2日制採用企業が増加

     変形労働時間制採用企業5割超える



発  表:平成10年10月23日

担  当:労働大臣官房政策調査部産業労働調査課

            電 話 03-3593-1211(内線5248)

                03-3502-6729(夜間直通)









T 調査の概要

 1 この調査は、我が国の賃金制度、労働時間制度等の実態を明らかにするため毎

  年実施しているもので、平成9年は労働時間制度、賃金制度及び退職金制度・退

  職金支給実態について調査を実施した。



 2 調査の対象は、日本標準産業分類に基づく鉱業、建設業、製造業、電気・ガス

  ・熱供給・水道業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動

  産業及びサービス業の9産業に属し、本社の常用労働者が30人以上である民営企

  業(母集団数約118,000社)のうちから抽出した5,300社(有効回答率90.4%)で

  ある。



 3 調査対象期日は、平成9年12月末日現在である。ただし、年間データについて

  は、平成9年1年間(又は平成8会計年度)とした。



 (注)

 1) 調査結果は、期間を定めずに雇われている常用労働者(パートタイム労働者

   は除く。)についてのものである。

 2) 統計表等に用いてある符号の意味は、次のとおりである。

   「M.A.」は、複数回答であることを示すもので、構成比の合計は100.0を超え

   る場合がある。「−」印は、該当数値が得られないもの、「…」印は、未調査

   のため数値が計上できないものをそれぞれ示す。





U 調査結果の概要

 【骨子】

 1 労働時間制度

  (1) 週休2日制

    「完全週休2日制」採用企業数割合は33.6%で、前年に比べ5.1ポイント上昇、

   適用労働者数割合は60.9%で前年に比べ1.6ポイント上昇。なお、「何らかの週

   休2日制」採用企業数割合は90.0%、適用労働者数割合は95.4%。



  (2) 週所定労働時間

    週所定労働時間は1企業平均39時間31分で、前年に比べ1時間14分短縮、初

   めて40時間を下回った。労働者1人平均では38時間46分で、前年に比べ32分の

   短縮。



  (3) 年間休日総数

    年間休日総数は1企業平均103.5日で、前年に比べ1.4日増、労働者1人平均

   では112.5日。



  (4) 年次有給休暇

    年次有給休暇の付与日数(繰越日数を除く。)は労働者1人平均17.4日、う

   ち労働者が取得した日数は9.4日でともに前年と同じ。取得率は53.8%。



  (5) 変形労働時間制

    変形労働時間制の採用企業数割合は54.4%で、前年に比べ13.9ポイントの上

   昇。内訳は「1年単位の変形労働時間制」が35.9%で前年に比べ20.8ポイント

   上昇、「1ヵ月単位の変形労働時間制」は16.3%、「フレックスタイム制」は

   4.4%。



  (6) みなし労働時間制

    みなし労働時間制の採用企業数割合は8.9%で、前年に比べて2.8ポイント上

   昇。内訳は「事業場外労働のみなし労働時間制」8.3%(前年5.8%)、「裁量

   労働のみなし労働時間制」が1.4%(前年0.5%)。





 2 賃金制度(家族手当制度)

   「家族手当制度」のある企業数割合は78.1%。「配偶者」について支給する企

  業76.6%「満18歳未満の子供」について支給する企業63.0%。

   「配偶者」について「家族手当」を支給する企業のうち、配偶者の年間収入が

  一定額を超えると配偶者手当を支給しない企業は49.9%、支給制限のある企業に

  ついてその上限の決定方法をみると、「配偶者控除の対象となりうる限度額(103

  万円)に合わせている」(38.5%)、「所得税の非課税限度額(103万円)に合わ

  せている」(37.9%)とする企業が多い。





 3 退職金制度

  (1) 退職金制度の有無及び形態

   イ 退職金制度のある企業数割合は88.9%。退職金制度のある企業についてそ

    の形態をみると、「退職一時金制度のみ」47.5%(前回平成5年47.0%)、

    「退職一時金と退職年金の両制度の併用」32.2%(同34.5%)、「退職年金

    制度のみ」20.3%(同18.6%)となっており、「退職年金制度のみ」の企業

    数割合が上昇。

   ロ 退職金制度について「過去3年間に見直しを行った」企業数割合は16.9%。

    見直した主な理由は「同業他社、世間の水準に合わせた変更」38.2%、「労

    働者の高齢化に伴う人件費増大に対処」22.3%、「退職金原資の積立て不足」

    19.0%、「年功重視から能力・業績重視に改めた」17.3%等。また、「今後

    3年間に見直しを行う」とする企業数割合は22.2%。



  (2) 退職一時金制度

   イ 退職一時金制度の支払準備形態は「社内準備」68.3%、「中小企業退職金

    共済制度」30.2%。



   ロ 支払準備形態が社内準備である退職一時金制度では、算定基礎額は「退職

    時の賃金」が70.9%、退職時の賃金以外の「別に定める額」が30.6% で、

    うち「定額方式」は15.6%、「点数方式」は8.2%、「別テーブル方式」は

    7.9%。



  (3) 退職年金制度

   イ 退職年金の支払準備形態は「適格年金のみ」52.3%、「適格年金と厚生年

    金基金との併用」21.4%。「厚生年金基金のみ」は20.3%。



   ロ 「適格年金」のある企業についてみると、支給開始時期は「退職後即時支

    給」が84.9%。支給期間は「有期」が86.9%で、そのうち「10年」が92.6%。



   ハ 「厚生年金基金」のある企業についてみると支給開始時期は「一定年齢か

    ら支給」が51.4%、「退職後即時支給」48.6%。



  (4) 早期退職優遇制度

    早期退職優遇制度がある企業数割合は3.4%で、早期退職優遇制度を採用した

   場合の男性モデル退職金額に対する加算金額の割合は、大学卒の45歳71.8%、

   50歳52.4%、55歳34.8%。





 4 退職金支給実態

   勤続20年以上かつ45歳以上の男性定年退職者(平成9年1年間)の退職金額は、

  「大学卒」(管理・事務・技術職)2,871万円(月収換算45.3ヵ月分)、「高校卒

  (管理・事務・技術職)1,969万円(同41.6ヵ月分)、「高校卒(現業職)」1,351

  万円(同37.0ヵ月分)、「中学卒(現業職)」1,192万円(同36.8ヵ月分)。


V 調査結果



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