タイトル:平成11年度予算概算要求における
厚生省・労働省の政策連携について
発 表:平成10年8月26日
担 当:労働大臣官房政策調査部総合政策課
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03-3502-6726(夜間直通)
1.障害者の雇用施策と福祉施策
障害者の自立を促進するため、障害者がその適性と能力に応じて、可能な限り地 域で生活しながら、雇用の場に就き、社会参加することができるよう、雇用と福 祉の連携により、就業面、生活面を併せて総合的に支援していく。 |
○「障害者就業・生活支援の拠点づくり」試行的事業(新規)
(厚生省21,039千円・労働省27,446千円)(参考1参照)
【連携のポイント】
障害者の就業支援と生活支援を総合的に行う拠点を設けて、@精神薄弱(知的障
害)者通勤寮及び障害者能力開発施設等に、生活支援ワーカー及び就業支援担当職
員を配置し、就職希望者や在職者に対して、生活面での相談・助言、就職や職場定
着の支援を一体的に行う、A精神薄弱(知的障害)者通勤寮に養護学校生を短期間
受け入れ、生活訓練、職場見学と現場実習への協力を行うことにより、障害者の自
立と社会参加を推進する。
2.高齢者の雇用施策と生きがい施策
高齢社会において、高齢者がその個性に応じて、健康で生き生きと活動し、社会 を活力あるものとしていくため、雇用施策と生きがい施策の連携により、高齢者 の多様な社会参加を支援していく。この場合、個人の「高齢期」における生活を 豊かなものにしていくという観点からも、雇用施策と生きがい施策を総合的に捉 えていくことが必要である。 |
○ 高齢者の生きがい促進のための就業支援事業(新規)
(厚生省15,784千円、労働省6,930千円)(参考2参照)
【連携のポイント】
市町村老人クラブ連合会が会員に対する就業希望調査を実施し、その結果を踏ま
え、@都道府県シルバー人材センター連合等が、就業希望者に対する技能講習を実
施する、A都道府県レベルで老人クラブとシルバー人材センターが共同で「就業推
進のための連絡会議」を設置し、就業希望者に対する就業先の開拓や受け入れ体制
の整備について検討するとともに、具体的な就業事例集を作成し、研修会で活用す
る等により、生きがい促進のための臨時・短期的な就業を支援する。
○ 企業退職者ボランティアの促進(新規及び拡充)
(労働省(企業退職者ボランティア推進事業)10,685千円)(参考3参照)
【連携のポイント】
厚生省のボランティア・センター活動事業と労働省の勤労者ボランティアセンタ
ー事業との連携の下に、高齢者、特に企業退職者のボランティア活動を促進する。
両者の効果的な連携を実現するため、「企業退職者ボランティア推進連絡会議」(
仮称)を新たに開催していくこととする。
○ 福祉分野における高齢者の雇用・就業機会の拡大可能性に係る調査研究(新規)
(労働省12,810千円)(参考4参照)
【連携のポイント】
労働行政と厚生行政との連携が強化されるようになれば、老人介護や家庭支援サ
ービス等福祉分野における高齢者の雇用・就業機会を効果的に拡大していくことが
可能になると考えられる。そこで、この点に関する調査研究を、両省が共同して行
うこととする。
3.少子化に対応した仕事と家庭の両立支援対策
平成9年の合計特殊出生率が1.39となるなど一層の少子化が進行する中で、 仕事と子育ての両立は極めて重要な課題である。従来より両省ともそれぞれ取り 組みを進めてきているが、今後は、より一層の連携を深めつつ施策を総合的に推 進していく。 |
○ 少子化時代の家族や企業の在り方に関する広報啓発(新規)
(厚生省24,730千円、労働省9,640千円)
【連携のポイント】
「少子化時代の家族や企業の在り方を考えるシンポジウム」を厚生省と労働省が
共同して開催し、職場や家庭等を通じて、男女の固定的な役割分担意識や仕事中心
の職場慣行の見直し、子育ての在り方等について国民的な議論を展開する。
○ 仕事と子育ての両立支援のための関係機関・事業の連携(拡充)
(厚生省(乳幼児健康支援一時預り事業)(拡充)424,650千円、労働省
(ファミリー・サポート・センター事業)(拡充)554,227千円)(参考5参照)
【連携のポイント】
@乳幼児健康支援一時預り事業について、病気の回復期の乳幼児を預かる施設の
範囲を拡大するとともに、新たに施設の空き部屋等を利用して保母や看護婦が預か
る場合にも事業の対象とすることとし、同事業及び地域における育児の相互援助活
動であるファミリー・サポート・センター事業について、これらに登録する保母や
看護婦を相互に活用すること等により、乳幼児等に対する育児サービスの提供の充
実を図る。
Aファミリー・サポート・センターと子育て支援関連施設・事業(保育所、乳幼
児健康支援一時預り事業、短期入所生活援助事業(ショートステイ事業)実施施設
等)との間で連携を図るための検討委員会を設置し、相互に情報提供を行うなど連
携の強化を図る。
4.職場と地域や家庭を通じた総合的な健康づくり対策
疾病予防対策や化学物質対策については、これまで、主として厚生省では地域や 家庭を対象として、労働省は職場を対象として施策を進めてきたが、これらの健 康確保施策の前提となる知識・経験等には共通する点もあることから、両省の連 携により、より効果的かつ効率的な施策を展開していく。 |
○ 生活習慣病予防のための健康診査等保健事業の在り方に関する調査研究事業(
新規及び拡充)
(厚生省(地域保健活動検討経費等)18,150千円、労働省(健康診断の有効的
活用に関する評価調査研究)53,048千円)(参考6参照)
【連携のポイント】
生活習慣病予防のためには、第1次予防の推進とともに、健康診査等によって明
らかになった、高血圧、高脂血症、糖尿病等の危険因子の保持者に対し、継続的に
支援し、その軽減を図ることが重要である。そこで、各種健康診査等の有効活用に
して調査研究を実施し、それらの成果を両省の疾病予防対策に活用する。
○ 廃棄物焼却施設及びその周辺におけるダイオキシン類健康影響に関する調査研究
(拡充)
(厚生省(ダイオキシン類総合対策研究(厚生科学研究事業))2,500,000
千円の一部、労働省(清掃業等におけるダイオキシン類に係る対策の推進等)
620,188千円)(参考7参照)
【連携のポイント】
近年、廃棄物焼却施設から排出されるダイオキシン類が問題とされており、施設
従事者及びその周辺住民の間にダイオキシン類による健康影響の不安が広がってい
る。このため、ダイオキシン類による廃棄物焼却施設従事者及び周辺地域住民の暴
露状況及び健康影響に関する調査研究を、両省が連携を図りながら実施する。
※ また、労働政策と社会保障政策の連携による経済社会に対する影響の分析に関
する研究(新規・厚生省13,182千円)等、両省協力して今後取り組むべき
課題等について幅広く検討する。
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