非正規雇用者の組織化と発言効果─事例調査とアンケート調査による分析

要約

前浦 穂高(JILPT副主任研究員)

本稿では、事例調査とアンケート調査の分析に基づいて、非正規雇用者の組織化後の取り組みとその効果を検証する。非正規雇用者の組織化の研究には、非正規雇用者の組織化後の取り組みの分析が手薄であること、労働組合の効果の研究には、非正規雇用者を対象としていないという課題が残されている。組織化後の取り組みを見ると、非正規雇用者を組織化すれば、労働組合は非正規雇用者の処遇を改善したり、非正規雇用者の雇用を維持したりすることで、非正規組合員に対して、正社員組合員に行うものと同様の取り組みを行う。最後に、本稿では、非正規雇用者の組織化の意味を考察しているが、それは、労働組合が組織内で正社員と非正規雇用者の賃金格差の是正に取り組み、その格差を互いに受容(納得)できるものに縮小していくこと(「組織内の均衡処遇の実現への接近」)にあることを主張する。

2018年特別号(No.691) パネルディスカッション●非正規社員の処遇をめぐる政策課題

2018年1月25日 掲載