共働き夫婦の家計運営

要約

田中 慶子(家計経済研究所次席研究員)

坂口 尚文(家計経済研究所次席研究員)

家計経済研究所が実施した「共働き夫婦の家計と意識に関する調査」を用いて、首都圏の共働き世帯における家計、家計内資源配分に注目し、妻の認識からみた金銭面での分担や家計運営について、共働きの類型間および世帯年収ごとに検討を行った。得られた知見は以下の2点にまとめられる。(1)妻収入の違いから、「パート」では生活費を賄う際に夫の収入への依存度が高い。「正社員」でも世帯所得が高くなるにつれ、生活費は夫収入への依存度が高くなるが、子どもも含めた家族への繰り入れという面でみると、所得に応じて対等に負担しあっている。一方、「パート」では妻の収入は、基本的に家計補助として活用されており、高い所得層では妻の裁量費とみなされる傾向もあった。(2)子どもの有無から比較すると、「DINKS」において夫婦間での金銭分離の傾向が際立っている。「正社員」では、子どもの存在により自分と家族とのお金に明確な線引きがしにくく、自分(妻)名義のお金であっても、それを家族のものと夫婦で認識しあい、夫婦間でのバランスをとっていた。

2017年12月号(No.689) 特集●雇用共働き化社会の現在

2017年11月27日 掲載