働く人にとってのモチベーションの意義─ワーク・エンゲイジメントとワーカホリズムを中心に

要約

大塚 泰正(筑波大学准教授)

本論文では、働く人のワーク・エンゲイジメント、ワーカホリズムと、ワーク・モチベーション、メンタルヘルスとの関連について議論した。ワーク・エンゲイジメントとワーカホリズムとの間には正の関連があることが繰り返し指摘されていることから、両者は類似した側面を持つことが示唆される。また、ワーク・エンゲイジメント、ワーカホリズムは、ともに、ワーク・モチベーションを高め、仕事に対するさまざまな行動を引き起こし持続させる原動力になるといえるが、特にワーカホリズムの下位因子である「強迫的な働き方」は、プライベートのときでも仕事との心理的な距離を取りにくくしたり、労働時間を長時間化したりすることなどによって、結果として本人のメンタルヘルス状態を不良にする危険性を持つものであるといえる。仕事に積極的に取り組む従業員は、組織にとっては重要な存在であると思われるが、そのモチベーションの根源が強迫的な色彩を帯びている場合には、早く帰宅させたり、休暇を取らせるなどの指導を、上司等がしっかりと行うことが必要である。

2017年7月号(No.684) 特集●モチベーション研究の到達点

2017年6月26日 掲載