特集趣旨「『通説』を検証する」

2008年4月号(No.573)

世間に広く通用している説(通説)には、専門家からみて根拠がないというものが意外に多い。 不可思議なオカルト現象のカラクリをあばく「ガリレオ」准教授のように、科学的な根拠のない議論に対しては、 専門家がきちんと一般の人にもできるだけわかるように真実を伝えておく必要がある。 「労働」の分野でも同じである。「労働」に関する通説には、専門家からみて明らかにおかしいと思えるものが少なくない。 また専門家の間では決着していない論争的なテーマについて、あたかも既に解決されているかのごとく、特定の意見だけが 通説となっていることもある。

本特集では、専門家には、こうした「通説」はどのように映っているのか、論争状況にあって 決着のついていないテーマは、どうしてそうなっているのか、ということを一般の人の目線に立って解説しようとするものである。 読者には、専門家の議論の奥深さを味わってもらうと同時に、日頃から通説を批判的に見る視点の重要性も感じてもらいたい。

2008年9月25日 掲載