資料シリーズ No.38
地域雇用政策と地域別従業員数の推移

平成 20 年 6月 13日

概要

近年の景気回復傾向は、主に大都市圏に見られるものであり、地方圏は依然として厳しい状況に置かれています。とりわけ、公共工事に依存してきた地域は公共投資の削減により建設業の倒産・廃業が増加し、地域経済が疲弊したままの状態です。また、企業誘致が難しい中山間地などの地域では、農林業などの衰退や過疎・高齢化の進展によって、廃村の危機に直面しているところが多くなっています。

景気回復過程で鮮明化した大都市圏と地方圏の格差拡大に対して、国の産業・雇用政策も新たな対応を試みています。国が決めた基準に基づいて全国一律に政策対応するというこれまでの中央政府主導型の画一的地域政策から、地方が自ら企画立案した地域政策に国が税制や財政的な支援をするといった地方分権型の政策に変化してきています。

本報告書の第Ⅰ部は、地域政策が中央政府主導型から地方分権型の政策に推移していった流れを、概括的にまとめています。

第Ⅱ部は、付属資料として 2001年と 2006年を比較した従業者数の変化を、総務省「事業所・企業統計調査」から都道府県別、市町村別にまとめたものです。厳しい状況に置かれている地方圏においても、市町村別に細かく検証してみると、従業者数を増やしている市町村が、かなりあることがわかります。

地域をどのような範囲で把握するかはなかなか難しく、都道府県レベルで見ると深刻な雇用情勢にある地域であっても、市町村レベルで見ると従業者数を増やしているところが混在しています。こうした多様な展開を見せる地域の実態分析は別の報告書で行う予定であり、本書では、地域が多様な展開をしていることを数字の上から確認することに留めています。

なお、本調査研究は、厚生労働省職業安定局からの課題研究です。

本文

執筆者

伊藤 実
JILPT 統括研究員

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