調査シリーズ No.69
中小企業の雇用管理と両立支援に関する調査結果(2)

平成22年3月31日

概要

研究の目的と方法

「企業の雇用管理と両立支援に関する研究」 プロジェクト研究「ワークライフバランスの実現に向けた社会システム・雇用環境の整備に関する調査研究」のサブ・テーマ

  • 調査期間:2009年9月3日~11月9日
  • 調査対象:「中小・中堅企業の雇用管理と両立支援に関する調査・企業調査」回答企業のうち、従業員調査への協力可とした186社。人事部を通じて依頼し、総配布数は1,321票。
  • 調査方法と回収数:郵送調査。有効回収票546票。

主な事実発見

  1. 「中途採用/再雇用」が6割強を占める一方、「企業側は長期雇用方針を堅持」と、約4割が認識している。
  2. 「今の会社で働き続けたい」と考える従業員は、約2/3である。
  3. 結婚・出産を機に仕事を辞めた経験「有り」は、男性で約3%、女性は5割弱である。
  4. 「小学校入学前の子供がいる」従業員は、全体の約1/6である。
  5. その内で、女性で育児休業を取得したのは、約7割であり、他には「所定外労働の免除」、「子供の看護休暇」が約3割となっている。
  6. WLB施策の影響・効果は、「働く上での安心感がある」、「育児休業者をきっかけに、仕事や職務の見直しにつながる」が、同時に一方では、「育児休業者がいると、仕事分担が増えて大変」とも思われている。
  7. 両立に関する意識・「仕事のために家事ができない」は、肯定否定が双方とも5割弱で、ほぼ同率となっている。

政策的含意

  1. 中小企業におけるWLB施策の普及は重要であるが、その土台となる基本的な人事制度の整備が前提となろう。
  2. WLB施策の影響・効果として、「働く上での安心感」が労使双方からあげられている。現実的な使用可能性を高めることを前提に、制度普及のため強調すべきポイントとなろう。
  3. 小規模企業では相対的に「子育て期の社員が少ない」。そのため、育児支援に限らない、中小企業に適したWLB施策全体のあり方も再考すべきであろう。

政策への貢献

これまでの「大企業モデルを中小企業に適用する」方式に対して、より差異の大きい中小企業像を明らかにして、それに応じた施策の必要性を指摘しながら、厚生労働省の今後の政策のための基礎データを提供したと考える。

本文

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研究期間

平成21年度

執筆担当者

中村良二
労働政策研究・研修機構主任研究員
酒井計史
労働政策研究・研修機構アシスタント・フェロー

データ・アーカイブ

本調査のデータが収録されています(アーカイブNo.49)。

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内容について
研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ
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