調査シリーズ No.67
高齢者の雇用・採用に関する調査

平成22年6月30日

概要

研究の目的と方法

高齢者雇用関連の法制度が整備される中で、企業の高齢者の雇用や採用に関わる最近の取り組み等を明らかにするため、「高齢者の雇用・採用に関する調査」を実施した。調査の概要は、全国の従業員数50名以上の民間企業15,000社を対象とする郵送調査で、調査期間は2008年8月17日~9月1日、調査時点は2008年8月1日現在、有効回収数3,867社(有効回収率25.8%)。

主な事実発見

  • 継続雇用制度の対象者が「希望者全員」3割、「基準に適合する者」とする企業が7割。基準の内容は、「健康上支障がないこと」(91.1%)「働く意思・意欲があること」(90.2%)、「出勤率、勤務態度」(66.5%)等が多い。
  • 継続雇用制度の活用を希望する正社員のうち実際に継続雇用されている割合(過去3年間平均、定年到達者がいない企業を除く)は、90%以上とする企業が4分の3。
  • 60代前半の継続雇用者(注)の大半がフルタイム勤務で、最も多い従業員は「定年到達後、継続雇用制度によって雇用されている従業員」とする企業が6割弱。
  • 60代前半の継続雇用者(注)の賃金水準は、 (1)定年到達前の従業員は、「担当する職務の市場賃金・相場」、「業界他社の状況」、「60歳到達時の賃金水準」等を考慮、 (2)定年到達後継続雇用制度により雇用されている従業員は、「60歳到達時の賃金水準」、「担当する職務の市場賃金・相場」等の他、「高年齢雇用継続給付の受給状況」「在職老齢年金の受給状況」も考慮。
  • 60代前半・フルタイムの継続雇用者(注)の、60歳直前を100とした61歳時点の賃金水準は、平均的な水準で60~70台が多い。
  • 高齢者の雇用の場の確保の課題にあたっては、「特に課題はない」(28.5%)が最も多いものの、課題としては、「高年齢社員の担当する仕事を自社内に確保するのが難しい」(27.2%)、「管理職社員の扱いが難しい」(25.4%)、「定年後も雇用し続けている従業員の処遇の決定が難しい」(20.8%)等が多い。
  • 65歳より先の雇用確保措置について、「すでに実施」が23.1%、「検討している」が12.6%で、6割以上(62.1%)が「実施も検討もしていない」。
  • 65歳より先の雇用確保措置の実施の際の取組みとして「継続雇用者(注)の処遇改訂」(30.7%)、「特に必要な取組みはない」(26.0%)が多い。また、65歳より先の雇用確保措置を実施・検討していない理由は「65歳までの対応で精一杯であり、65歳から先の雇用は差し迫った課題でない」(48.5%)、「個々の従業員の体力や能力に差があり、一律に雇用・処遇するのは難しい」(38.9%)が多い。

(注) ここでの「継続雇用者」とは、60歳に到達するまで調査対象企業に正社員として勤続し、60歳以降も当該企業で雇用され続けている従業員(正社員または非正社員)のことを意味する。

政策的含意

高齢者の継続雇用等の実態を詳細に調査しており、65歳まで希望者全員の雇用が確保される施策や70歳まで働ける企業の実現に向けた施策について検討する上で有益な情報を与えている。

政策への貢献

定年による労働条件の変更と高年齢者の意識と行動の変化について基礎的な情報を分析・整理したことによって、定年後の労働者に快く能力を発揮させるための個人の自立性を尊重する雇用管理のあり方を示唆した。

図表1 継続雇用制度の対象者の基準(複数回答)(継続雇用の対象者について基準に適合する者とする企業)(n=2460)

図表1 継続雇用制度の対象者の基準(複数回答)(継続雇用の対象者について基準に適合する者とする企業)(n=2460)/調査シリース67「高齢者の雇用・採用に関する調査」

本文

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研究期間

平成21年度

執筆担当者

藤井 宏一
労働政策研究・研修機構統括研究員

お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 03(5991)5104

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