調査シリーズ No.61
外国人労働者の雇用実態と就業・生活支援に関する調査

平成21年8月18日

概要

身分による在留資格の外国人労働者については、たとえば日系人の多くが間接雇用など不安定な雇用形態・低い労働条件で就労しているなど、いくつかの問題が指摘されています。また、外国人労働者の子女の中には不登校・未就学の者が少なくありません。さらに、外国人の高齢化によって生活保護受給申請が増加しているとの指摘もあります。このように、外国人労働者の階層の固定化の進行、日本人との格差が広がることが懸念されています。

このような状況をふまえ、2007年には雇用対策法が改正され、外国人労働者への雇用管理の改善の施策を講じるとともに、事業主に対しても外国人労働者が本人の責めによらず解雇された場合には再就職を援助する努力義務が定められました。

また、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針新しいウィンドウ」が策定され、労働保険関係法令や社会保険関係法令の遵守など適切な措置を講じることが定められ、さらに、外国人雇用状況報告制度に代わる外国人労働者の雇用状況の届出制度新しいウィンドウが導入されています。

こうした法制度の変更の後、企業は外国人労働者に対してどのような雇用管理を行い、改正雇用対策法への対応状況はどうなっているのでしょうか。本調査では、こうした点について企業からの聞き取り調査を実施しました。

ところで、本調査を実施している途中段階で、世界同時不況が発生し、外国人労働者の雇用についても深刻な影響があったのは周知の通りです。外国人労働者の場合はもともと不安定な雇用にあったところに雇用保険への加入率も低く、公的セーフティネットでカバーされた者は限られています。そのため、地方自治体、NPO、教会、支援団体などによる生活支援に依存せざるを得なかった者もいました。

本調査では、決して多くはありませんが、こうした点についても注目して、外国人労働者個人に対するアンケート調査や外国人労働者の就労支援や生活支援の状況についても聞き取り調査を実施しました。

本文

執筆担当者

渡辺 博顕
労働政策研究・研修機構 副統括研究員

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