労働政策研究報告書No.99
有期契約労働と育児休業
―継続雇用の実態と育児休業の定着に向けた課題―
「有期契約労働者の育児休業等の利用状況に関する研究」報告書

平成 20 年 6月 13日

概要

本報告書は、2005年4月施行の改正育児・介護休業法で新たに育児休業の対象となった有期契約労働者の育児休業取得状況を分析し、有期契約労働者の育児休業が進むための課題を明らかにしたものです。

全国の民営事業所とその事業所に勤務する40歳未満の女性有期契約労働者を対象とするアンケート調査の分析結果から、次のような知見が得られています。

(1)約8割の事業所は、更新回数の上限なく反復更新する契約で有期契約労働者を雇用している。

(2)有期契約労働者の育児休業制度の規定がある事業所の約3分の2は法改正に合わせて有期契約労働者を対象としている。有期契約労働者を対象とする育児休業の規定がある事業所は休業取得者のいる割合が相対的に高く、反復更新して継続的に有期契約労働者を雇用している事業所に育児休業取得実績がある。

(3)有期契約労働者の育児休業ニーズは高い。しかし、労働時間が週 30時間以上の層は、現在の勤務先での雇用継続希望とともに、子育てしやすい別の勤務先に移る希望も高い。

(4)多くの事業所は、ニーズ調査や労使協議などの方法で、有期契約労働者の両立支援ニーズを把握することをしていない。ニーズを把握しかつ有期契約労働者の育児休業制度の規定を設けている事業所は育児休業取得実績が高い。

これらの分析結果から、政策的インプリケーションとして、(1)有期契約労働者を対象とする育児休業制度の普及、(2)多様な勤務実態に即した両立支援、(3)制度の円滑な運用に向けた労使のコミュニケーションの重要性を指摘しています。

本文

研究期間

平成18 年度~平成19 年度

執筆担当者

池田 心豪
JILPT ワーク・ライフ・バランス部門 研究員
酒井 計史
国立女性教育会館 客員研究員(元JILPTアシスタントフェロー)

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