ディスカッションペーパー 07-03
職安における失業要因の分解と政策的議論
―地域ブロック別分析を中心として―

平成19年3月23日

概要

本研究の主たる目的は、職安における失業構成要因を地域ブロック別に細かく検討することにより、効率的な失業対策に資する分析を行うことにあります。これまでにも、我が国全体における失業状況は検討されてきましたが、先行研究の多くはUV曲線を利用することで失業構成要因を分解してきたために、より具体的なミスマッチの内実にまで迫ることは難しい状態でした。

この点を踏まえ、本研究ではArmstrong and Taylor (1981)の方法を簡略化した大橋 (2006)の方法により、各地域ブロックの失業を摩擦的ミスマッチ、構造的ミスマッチ(職業間ミスマッチと地域間ミスマッチ)それに労働需要不足失業に分解しました。これにより、いかなる地域でいかなる失業を解消することが重要となるのかを検討しました。使用データは、職安別・職業中分類別データを雇用圏別・職業中分類別に再編したものです。

この結果、いずれの地域ブロックでも摩擦的ミスマッチの水準は高い反面、構造的ミスマッチや労働需要不足失業の水準については、地域間での差異が確認されました。また構造的ミスマッチの内実を検討すると、いずれの地域ブロックにおいても職業間ミスマッチの解消の方が、地域間ミスマッチの解消と比較して、構造的ミスマッチ解消のためには相対的に重要となる可能性が示唆されました。

本文

執筆担当者

大谷 剛
独立行政法人 労働政策研究・研修機構 研究員

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非売品です

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※本論文は、執筆者個人の責任で発表するものであり、労働政策研究・研修機構としての見解を示すものではありません。

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