ディスカッションペーパー 06-05
事業再生過程における経営・人事管理と労使コミュニケーション
―事例分析の中間取りまとめ―

平成18年9月20日

概要

不良債権処理という政策的課題の解決が引き金となり、また様々な制度的枠組みが整備されたことで、経営不振に陥った企業が営んでいた事業を建て直す「事業再生」の試みが、ここ数年急速に増加しています。ただ、事業再生に伴う企業組織の変化やその際の労働条件、人事管理の変化については比較的知見が少ないところです。そこで本稿では、事業再生を経験した22社に対する事例調査の結果を基に、事業再生過程における多様な人事管理と労使コミュニケーションの状況を整理・分析したうえで、両者の関連について考察しました。

分析の結果、明らかになったこととして、(1)事業再生過程にある企業の多くでは人員削減や賃金削減が行われるが、その程度は主要事業における抜本的な業務遂行体制の見直しやスポンサー支援の有無によって異なっている、(2)事業再生過程にある企業では人員削減や賃金削減とともに、従業員に対する教育訓練の強化や啓発活動などが、事業の改善や組織改革のために行われており、その態様は事例企業の業種や経営トップの状況、スポンサーの有無により左右されている、(3)事業再生過程の人事管理に伴うマイナス面は、労働組合が労使コミュニケーションを担い人事管理に対して発言している場合に、より抑制されている可能性が高い、などを指摘しています。

本文

執筆担当者

藤本 真
労働政策研究・研修機構 研究員

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非売品です

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※本論文は、執筆者個人の責任で発表するものであり、労働政策研究・研修機構としての見解を示すものではありません。

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