米国の失業保険制度|労働政策研究・研修機構(JILPT)

米国の失業保険制度

掲載日:平成28年5月31日

概要

研究の目的

米国の失業保険について、特に、失業税の運用や失業税率の設定などの財務制度、および、失業保険の種類や具体的な適用条件等にかかる給付制度を明らかにする。

研究の方法

文献、政府資料等による。

主な事実発見

米国の失業保険は、使用者と労働者が負担を折半する日本と異なり、全額が使用者負担である。使用者が負担する掛け金は失業保険税とされ、連邦政府、州政府双方が徴収する。連邦失業保険税は多くの場合、主失業保険税を期限内に納付することで控除される。

失業保険の運用や財政は州政府ごとの裁量にまかされる部分が大きい。それは、失業保険料率や、失業保険予算の運用、失業保険給付の対象となる失業者の範囲にもおよぶ。失業者の増加や失業期間の長期間により、州政府の財務状況が悪化した場合、連邦政府からの助成が受けられるが、無償ではなく利息が付加された貸与となるが、債務が大きな負担となる場合、連邦政府が付加する利息よりも低利の州債を発行することも可能である。

本報告書の意義、もしくは特徴は、勤労所得税額控除(Earned Income Tax Credit : EITC)、補足的栄養補助プログラム(SNAP)、補足的保障所得(SSI)、貧困家庭一時扶助(TANF)、公的年金(OASDI)といった社会保障制度のなかで包括的に失業保険制度をとらえているところにある。低所得者とその家族においては、失業保険を含めて単一の社会保障制度だけでは、生活することが難しい。各種社会保障制度は支給期間に制限があるため、就労による収入で生計をたてることを目的としていても、それぞれの制度が円滑につながることが必要である。そのために、失業保険は、低賃金労働者、高齢者、就職困難者とその家族の生活を支える社会保障制度のなかで包括的に機能しているのである。補論として、民間シンクタンクによる失業保険制度改革提案の概要をまとめたが、その提案も失業保険制度を低所得者向けの包括的な社会保障制度に位置づけることを求めるものとみることができる。

政策的インプリケーション

失業保険制度における州政府による予算の柔軟な活用や、社会保障制度のなかで生活を支えるという包括的な役割が参考になると思われる。

政策への貢献

雇用保険制度見直しのための資料として活用される予定。

付随情報

研究の区分

緊急調査

研究期間

平成27年度

研究担当者

山崎 憲
労働政策研究・研修機構国際研究部主任調査員
和田 佳浦
労働政策研究・研修機構国際研究部

(所属・肩書きは執筆当時)

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お問合せ先

内容について

調査部 海外情報担当 電話:03-5903-6274
(10時~12時および13時~17時。土日祝日と年末年始を除く。)

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