法定最低賃金(SMIC)、時給9.76ユーロへ引上げ

フランスの法定最低賃金(SMIC)が2017年1月から時給9.76ユーロに引上げられた。これに先立ち11月に発表された最賃影響率に関する統計数値によると、2016年1月の引上げ時に最賃の水準以下で就労する雇用労働者が160万人で、労働者全体の10.5%であることがわかった。

小幅な伸びに留まる

2017年1月から施行される法定最低賃金(SMIC)(注1)が12月15日公表された。2017年1月から施行される最賃額は9.76ユーロ。2016年1月改定の9.67ユーロからは0.95%の小幅な伸びにとどまる。2001年以降の最賃額と引上げ幅の推移をみると、2008年以降、小幅な引上げとなっている(図表1)。なお、フランスの最低賃金の引上げは物価上昇に基づいて決定される(注2)ため、物価上昇が激しい場合には年に複数回引上げられることもある。

図表1:最賃額と引上げ割合の推移(2001年~2017年)
図表1:画像

  • 出所:政府発表資料より作成

零細企業、パートで引き上げの影響大

最賃引上げにより影響を受ける労働者の割合を示す率も公表された(注3)。2016年1月1日の改定時点で、法定最賃水準で就労していた労働者は約160万人であり、民間部門雇用労働者の10.5%に相当する。

最賃水準で就労する労働者が全体に占める割合は、1990年から2005年にかけて上昇を続け、2005年にピークとなり16.3%に上った。2006年以降は低下し、2010年には9.8%になったが、それ以降は10%から11%前後で推移している(図表2参照)。

図表2:最賃影響率の推移(1987年~2016年)
図表2:画像

  • 出所:政府発表資料より作成

(ウェブサイト最終閲覧日:2017年5月17日)

参考レート

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