企業の労働費用、前年比3.7%増加
―雇用労働部調査

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2013年9月

雇用労働部が8月27日に発表した常用労働者10人以上の企業3329社を対象とする「2012年企業の労働費用調査」によると、労働者1人当たりの月平均労働費用は448万7000ウォンで、前年に比べ3.7%(15万9000ウォン)増加した。前年比の増加率は、2009年0.5%、2010年4.0%、2011年7.6%と、この数年上昇していたが、2012年の場合、前年よりも3.7%と3.9ポイント低下した(表1)。

労働費用は、企業が労働者を雇用する際、実際に支払う金額の合計で定額給与、ボーナス・成果金などの直接労働費用および退職給与、法定福利費、法定外福利費、教育訓練費などの間接労働費用で構成される。

直接労働費用は、月347万6000ウォンで4.3%(14万4000ウォン)増加し、間接労働費用は101万1000ウォンで1.5%(1万4000ウォン)増加した。直接労働費用のうち、定額給与と所定外給与は273万7000ウォン、ボーナス・成果金は73万9000ウォンで、前年よりそれぞれ4.8%および2.6%増加した。

間接労働費用のうち、退職給与は47万1000ウォンで、前年の48万ウォンに比べて2.0%減少した。雇用労働部は、「2011年の退職給与は、退職年金の転換による上昇率(25.3%)が高かったが、2012年は基底効果(Base effect=過去の特定時点と比較した時に、現在の経済指標が実際よりも膨らんだり萎縮したりする現象)による上昇率が大幅に縮小した」と説明している。また、社会保険料などの義務的支出である法定福利費(国民年金、健康保険、労災保険、雇用保険の保険料)は29万7000ウォンで前年より6.0%増加し、法定外福利費(食事代、学費補助費、住居費)は20万2000ウォンで3.2%増加した。そのうち、食事代が40.5%(8万2000ウォン)で最も高い割合を占めた。

産業別労働費用をみると、電気・ガス・蒸気・水道事業が760万6000ウォンで最も高く、事業施設管理・事業支援サービス業が211万5000ウォンで最も低かった(表2)。

中小企業(従業員10~299人)の労働費用は357万ウォンで、300人以上の大企業(564万ウォン)の63.2%の水準であり、大企業と中小企業の間の労働費用の格差は依然として大きいことが分かった。従業員10~29人の零細事業所の労働費用(320万ウォン)は、従業員1000人以上の大規模事業所の労働費用(626万2000ウォン)の2分の1であった。

ソン・ピルフン雇用労働部労働市場分析課長は「昨年の企業の労働費用の上昇率は3.7%で、2011年に比べて大幅に鈍化した。これは、前年の上昇率の基底効果によるものである」と述べた。また「昨年は、大企業と中小企業の間の格差が直接労働費用および間接費用ともに前年に比べてやや縮小し、二極化が多少緩和された」と評価した。

表1:労働費用(単位:千ウォン、%)
区分 2008 2009 2010 2011 2012
総労働費用 3,846 3,866 [0.5] 4,022 [4.0] 4,329 [7.6] 4,487 [3.7]
(100.0)  (100.0)  (100.0)  (100.0)  (100.0) 
  直接労働費用 3,003 3,014 [0.4] 3,166 [5.0] 3,332 [5.2] 3,476 [4.3]
(78.1)  (78.0)  (78.7)  (77.0)  (77.5) 
間接労働費用 843 852 [1.1] 856 [0.5] 997 [16.4] 1,011 [1.5]
(21.9)  (22.0)  (21.3)  (23.0)  (22.5) 
  退職給与 360 371 [2.9] 383 [3.4] 480 [25.3] 471 [-2.0]
(9.4)  (9.6)  (9.5)  (11.1)  (10.5) 
法定福利費 256 259 [1.4] 267 [2.9] 280 [5.0] 297 [6.0]
(6.6)  (6.7)  (6.6)  (6.5)  (6.6) 
法定外福利費 185 185 [0.2] 169 [-8.5] 196 [15.5] 202 [3.2]
(4.8)  (4.8)  (4.2)  (4.5)  (4.5) 
教育訓練費 29 25 [-14.1] 25 [-1.6] 27 [11.0] 28 [1.8]
(0.8)  (0.6)  (0.6)  (0.6)  (0.6) 
  • 資料出所:雇用労働部
  • 注:総労働費用:企業が労働者を雇用することによって、実際に負担する給与(直接労働費用+間接労働費用)。[]は昨年比。
表2:産業別労働費用 (単位 : 千ウォン、%)
  2009 2010 2011 2012
全体の労働費用 労働費用 3,866 4,022 4,329 4,487
労働費用増減率 0.5 4.0 7.6 3.7
鉱業 労働費用 3,442 3,646 4,299 4,579
労働費用増減率 -1.6 5.9 17.9 6.5
製造業 労働費用 4,289 4,464 4,891 5,121
労働費用増減率 1.8 4.1 9.5 4.7
電気・ガス・蒸気及び水道事業 労働費用 6,739 7,107 7,870 7,606
労働費用増減率 -0.5 5.5 10.7 -3.4
下水廃棄物処理原料の再生環境復元業 労働費用 2,887 3,018 3,212 3,396
労働費用増減率 -0.5 4.5 6.4 5.8
建設業 労働費用 3,710 3,963 4,251 4,401
労働費用増減率 -2.6 6.8 7.3 3.5
卸売及び小売業 労働費用 3,624 3,803 3,963 4,235
労働費用増減率 -0.3 4.9 4.2 6.9
運輸業 労働費用 2,723 2,952 3,220 3,399
労働費用増減率 0.8 8.4 9.1 5.6
宿泊及び飲食店業 労働費用 2,623 2,738 2,848 2,797
労働費用増減率 1.0 4.4 4.0 -1.8
出版ビデオ放送通信及び情報サービス業 労働費用 3,905 4,267 4,521 4,828
労働費用増減率 1.2 9.3 6.0 6.8
金融及び保険業 労働費用 6,797 7,139 7,280 7,565
労働費用増減率 -0.1 5.0 2.0 3.9
不動産業及び賃貸業 労働費用 2,918 3,015 2,971 2,967
労働費用増減率 1.0 3.3 -1.5 -0.2
専門科学及び技術サービス業 労働費用 4,027 4,081 4,160 4,375
労働費用増減率 -1.8 1.3 1.9 5.2
事業施設管理及び事業支援サービス業 労働費用 1,900 2,018 1,958 2,115
労働費用増減率 2.2 6.2 -3.0 8.0
芸術スポーツ及びレジャー関連サービス業 労働費用 3,671 3,701 3,845 4,231
労働費用増減率 -0.5 0.8 3.9 10.1
協会団体の修理及びその他の個人サービス業 労働費用 2,530 2,712 3,196 3,524
労働費用増減率 -0.6 7.2 17.9 10.3

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