2012年のフルタイム労働者の週あたり賃金1.4%上昇

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2013年2月

労働省労働統計局の発表によると、2012年第4四半期のフルタイム労働者の週当たり賃金の中間値は前年同期を1.4%上回った。その一方で州別の最低賃金は年明けの1月1日から10州で引き上げられた。また、失業率は12年、42州で前年から下がった。雇用労働関係の数字は総じて改善に向かっている。

男女の賃金格差が拡大傾向に

労働省労働統計局の発表によれば、フルタイム労動者の2012年第4四半期の週あたり賃金の中間値は775ドルで、対前年同期の764ドルとくらべて1.4%増となった。

この数字は男女別にみると様相が異なる。女性は2012年第4四半期が692ドル、対前年同期の688ドルとくらべて0.6%増にとどまっている。それに対して、男性は2012年第4四半期が875ドル、対前年同期の843ドルとくらべて3.8%増と大きく伸びている。

男女の伸び率の差をみると、男性が女性の6.33倍となっている。これは、1999年以降でもっとも大きな差が開いたことになる。男女の賃金は男性を100とすると前年同期が81.6であったのに対し、2012年第4四半期には79.1となり2.6ポイント差が拡大した。

年齢別では55歳以上が対前年同期比で3.0%増、25歳から54歳が1.9%増、16歳から24歳が2.7%増となるなど55歳以上の高齢労働者の賃金伸び率はそれより低い年齢階層の伸び率を上回った。この傾向は伸び率だけでなく、55歳以上の第4四半期の賃金の中間値が887ドル、25歳から54歳が807ドル、16歳から24歳が459ドルであり、実額での比較でも優位に立っていることが明らかになった。

この調査は6万世帯を対象に毎月実施しているもので、官民を問わず、16歳以上の時間給および日給労動者に週あたり賃金、割増賃金等について聞いている。

10州で最低賃金額を引き上げ

週あたり賃金の上昇だけでなく、最低賃金額の引き上げが各州で続いている。連邦レベルの最低賃金額は時給7.25ドルだが、州は独自にその額よりも下回る場合でも上回る場合でも独自に最低賃金額を設定できる。

そのうち、アリゾナ、コロラド、フロリダ、ミズーリ、モンタナ、オハイオ、オレゴン、ロードアイランド、バーモント、ワシントンの10州が連邦最低賃金を上回る額に1月1日より引き上げた。85万5000人の労動者が影響を受けるという。上昇する賃金額は年間で190ドルから510ドルの見通し。

これにより連邦最低賃金を上回るのは19州に加えてコロンビア特別区となった。

連邦最低賃金は2009年にから改訂がなく、時給9.80ドルへ引き上げる審議が連邦議会で継続中となっている。

42州で失業率が低下

賃金面の改善だけでなく、失業率の低下もみられる。労働省労働統計局によれば、42州およびコロンビア特別区で2012年の失業率が低下した。また、44州で非農業就業人口が増加した。

もっとも就業者数が増えたのが、テキサス州の26万800人、カリフォルニア州の22万5900人、ニューヨーク州の12万3600人であり、合計で61万となった。

失業率の低下も各州で続いており、テキサス、オクラホマ、ルイジアナなどの西南中部地域、カリフォルニア、オレゴン、ワシントンの各州で1.3%から6.0%の範囲でそれぞれ失業率が低下した。

参考

  1. Men’s Weekly Earnings Grew Six Times Faster Than Women’s in 2012, BLS Says, Daily Labor Report, Ja.18
  2. The Large States Added 610,000 Jobs In 2012, as Unemployment Fell in 42 States, Daily Labor Report, Jan.18
  3. 10 States Hiked Minimum Wages Jan. 1 By 10-35 Cents; 855,000 Workers Affected, Daily Labor Report, Jan.11

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