全国労働大学が財政難で閉鎖へ

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  • 国別労働トピック:2013年12月

労働組合員の教育事業を進めてきた全国労働大学が近く閉鎖される、と11月13日に発表された。財政難が理由で、アメリカ労働総同盟・産別会議(AFL-CIO)が資金の大半を出していた。

メリーランド州シルバースプリングに位置する同大学の施設は、1970年代にアメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)がジョージ・ミーニー・労働研究センターとしてスタートし、1997年に学士号を授与する機関として認定されたことを受けて、全国労働大学と名付けられたものである。

ここ数年間は財政問題に直面しており、2012年には一部の施設を売却したうえで、2006年に新設した会議場を閉鎖していた。また、主要な講義はオンライン上で提供されるものへと移行した。

運営予算の大半はAFL-CIOから来ていたが、赤字は3000万ドルに達していた。

同大学は全米で唯一の労働問題専門大学で、歴史、労働組合の組織化の技術、団体交渉手法などの研究と教育のためのセンターとして、これまでに数千人の労働組合員を教育してきた。

多くの大学にも、労働センター(Labor Center)が置かれてきたが、近年は企業経営に特化したビジネススクールに置き換えられるようになってきている。

なお、AFL-CIOは9月に開催した全国大会でコミュニティ組織と連携した訓練施設の立ち上げを決定している。

(山崎 憲)

参考

  • Josh Eidelson, National Labor College to close, Peoples World, Nov.15.
  • Michelle Amber, National Labor Collefe Plans to Close Because of Continnuing Financial Difficuties, Daily Labor Report, Nov.14.

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