ドイツへの移民数、96年以来最多の95.8万人

カテゴリー: 外国人労働者統計

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  • 国別労働トピック:2012年5月

連邦統計局が5月16日に発表した速報値によると、2011年にドイツに流入した移民の数は1996年以来最多の95万8000人に上ることが分かった。2010年から16万人増加(20%増)した。一方でドイツからの流出数は67万9000人となり、差し引き27万9000人の純増となった。

主にEU域内からの増加が顕著で、特に金融・債務危機の影響が深刻な国からの流入が目立った。ギリシャからの移民は2万4000人と対前年比で90%増加し、スペインからは52%増の2万1000人が流入した。

ドイツは2011年5月1日から、7年間続いた中東欧諸国の労働者に対する規制を撤廃して労働御市場を開放、移動の自由を保障したが、それらの諸国からの流入も43%増加した。ポーランドからは前年比で4万9000人増の計16万3000人、ハンガリーからは1万2000人増の計4万1000人が流入した。

EU域外からの移民はアジアから11%増、アメリカから10%増、アフリからは1%増だった。

移民の多くは、ノルトライン=ヴェストファーレン州、バイエルン州、バーデン=ヴュルテンベルク州、ヘッセン州など、西側に移り住んでいる。

ドイツはリーマンショック後、いち早く景気が回復し、4月の失業率も6.8%と低く推移しており、欧州債務危機の影響と失業率の高止まりに苦しむ周辺諸国の労働者にとって魅力的な労働・経済環境となっているようだ。

参考

  • Statistisches Bundesamt(Pressemitteilung Nr. 171 vom 16.05.2012), Thomson Reuters(16.05.2012)

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