移民の流入、前年比65%増

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2011年6月

統計局が5月に発表した移民統計によれば、2010年9月までの1年間の移民の純流入数は24万2000人で、前年同期比で65%(9万5000人)増加し、2005年に26万人に達して以来の規模となった。流出数の継続的な減少が影響したほか、EU加盟国からの流入量が16万1000人から21万5000人と急増したことが主な理由。2004年のEU加盟国である東欧8カ国からの流入数が、前期の純減(1万2000人減)から反転して4万3000人増となったことが大きく寄与している。政府は昨年から、移民流入数の削減策の一環として、EU域外からの移民労働者の数量制限を導入しているが、シンクタンクのCIPDは、むしろ域外からの労働者の制限が加盟国からの労働者の増加を招いている可能性もあると指摘、その有効性に改めて疑問符を投げかけている。

なお、統計局が併せて公表した労働力調査の分析結果によれば、2011年第1四半期時点で未熟練職種の従事者の20.6%をイギリス国外出身(出生)が占め、2002年第1四半期の9%から倍増している。とりわけ、東欧からの労働者に占める未熟練職種の従事者は38.3%で、イギリスや他のEU加盟国、あるいは域外出生の労働者を大きく上回っている。国内で未熟練職種に従事する労働者数は、2002年から約320万人とほぼ横ばいで推移し、こうした仕事に従事するイギリス生まれの労働者の数は304万人から256万人と50万人近く減少している。

出身国・地域ごとの技能水準別職業従事者の割合
  イギリス EU14 EU A8 その他(域外)
未熟練 10.3 10.4 38.3 13.1
中程度・下位 33.7 26.1 34.6 31.3
中程度・上位 29.1 27.5 19.3 26.6
高度 26.9 36.0 7.8 28.9

出典:Office for National Statistics(ONS)ウェブサイトリンク先を新しいウィンドウでひらく

参考資料

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