女性の就労促進
―「2009年女性雇用情勢分析報告」より

カテゴリー:多様な働き方勤労者生活・意識統計

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  • 国別労働トピック:2010年5月

経済危機以降の景気低迷により、女性がより深刻な影響を受けている実態が明らかとなった。労働部が発表した「2009年女性の雇用情勢の分析報告(Analysis of women’s employment in 2009)」(注1)によると、2009年の女性就業者数は977万2000人。これは2008年から100万3000人の減少にあたり2003年以降初めての減少となった。男性就業者数は逆に3万1000人の増となっている。

分析によると、現在、女性の49.2%が経済活動に参加しているが、これは昨年から0.8%の低下であり就業率も1.0%低下して47.7%となった。男性の場合、経済活動が0.4%低下(08年73.5%、09年73.1%)したが、就業率は0.8%の低下(08年70.9%、09年70.1%)に留まっており、女性の状況がより悪化していることが分かる。OECDの基準(15-64歳)で再調整した女性の経済活動への参加も2009年の53.9%と、OECD諸国の平均(61.3%)より著しく低い。

女性の雇用状況を改善するため政府は、過去2年間暫定的に実施されていた産後雇用促進のための助成期間を2012年まで延長すると発表した。同時に基準も改め、「妊娠期間に他の職場に移り、出産し、6歳以下の児童を育てている女性労働者」も対象となるよう条件が緩和される。さらに企業が会社内に保育施設を共同で設立した場合、政府助成金が増額されるとした。

政府は、ワーク・ライフ・バランスにも適合する短時間勤務の正社員など、女性に優しい仕事を増やしたい考えだ。全国にある81のジョブセンター(Job Centers)と77の女性のためのニュージョブセンターが、失業した女性が労働市場に再参入できるよう改善された就職斡旋と職業訓練サービスを提供するとしている。

また今年前半、労働部や男女平等部など関係政府機関は、全国雇用戦略委員会(National Employment Strategy Committee)を通じて、女性の雇用のためのロードマップを作成するとしている。計画には、女性のための雇用創出、女性失業者のための職業訓練の強化、個々の特徴と能力に応じた就労及び起業支援、生計費の助成など様々なスキームが盛り込まれる予定である。

資料出所

  • 韓国労働部HP

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