失業率、昨年秋以降最悪の9.7% 

カテゴリー:雇用・失業問題統計

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  • 国別労働トピック:2009年9月

労働統計局が9月4日に発表した雇用統計(注1)によると2009年8月の失業率は9.7%であった。6月から7月にかけて9.5%から9.4%に改善が見られたが、7月から8月にかけて0.3ポイント悪化することになった(図1参照)。非農業部門の就業者数は7月の1億3143万9000人から21万6000人減って、1億3122万3000人となった(図2参照)。就業者数が前月比で減少するのは08年1月から20カ月連続(692万人減)であり、労働統計局が一般公開している1939年2月以降のデータでは最長で最大規模である。ちなみに、2001年3月から2002年5月までの15カ月間に220万人減、1981年8月から1982年12月までの17カ月間には283万人減を記録している。

一方で、産業別に見た場合に明るい材料も垣間見られる。製造業と建設業を中心に就業者減少の幅が小さくなる傾向が見られなくもない(図3参照)。

財務省のクルーガー次官補は、「いくつかの部門では成長の兆しが見えてきた。しかし、それは満足のいくものではなく、雇用の喪失は悪化が弱くなりつつあるが、良好だとは決していえない」とコメントしている(注23)。

ただし、若年者の失業率上昇は深刻である。16~19歳層の失業率は25.5%を記録し政府が統計を取り始めて最高値となった(注4)。2007年には15~16%台であったが2008年5月以降急激に悪化している(図4参照)。また、エスニック・グループ別に見た場合、アフリカ系アメリカ人の高さが際立っている(図5参照)。

失業率の推移

出所:労働統計局資料

図2:就業者数と失業者数の推移

出所:労働統計局資料

図3:産業別の就業者数減少幅の推移

出所:労働統計局資料

図4:若年者(16歳から19歳)失業率の推移

出所:労働統計局資料

図5:エスニック・グループ別の若年者失業率の推移

出所:労働統計局資料

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