フランスの失業率、8.7%に上昇
―INSEE雇用調査

カテゴリー:雇用・失業問題統計

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  • 国別労働トピック:2009年7月

国立統計経済研究所(INSEE)が、6月4日に発表した雇用調査結果によると、2009年第1四半期(1~3月)のフランス本土のILO基準による失業率は8.7%で、2008年第4四半期の7.6%(修正済み)から1.1ポイント上昇、失業者数は245万5000人に上った。

失業率が2年半ぶりの高水準を記録したことを受けてラカルド財務相は、2009年の経済成長率がマイナス3%程度になる見込みを示すとともに、「政府の景気刺激策が効果を発揮する来年まで、失業率の上昇傾向は続くだろう」という見方を明らかにした。

ILO基準による失業率は、就業人口(失業者も含む)に占める失業者の割合を指す。INSEEによると、09年第1四半期の本土のみの失業率は8.7%、海外県(Dom)を含むフランス全土では9.1%に達した。また、不完全雇用(underemployment)(注1)の割合も増加している。09年第1四半期では138万9000人、つまり職に就いている者のうち5.4%が不完全雇用の状態にあり、08年第4四半期の5.1%から0.3ポイント上昇している。これは、主に部分的失業や休業の増加が関係していると、INSEEは説明している。

図:ILO基準による失業率 四半期平均CVS(季節変動調整)データ(単位:%)

図

France =フランス本土+海外県(Dom)

France Métropolitaine = フランス本土

失業率は、+/-0.4ポイントの誤差見込み

四半期から四半期にかけての失業率の変化について、+/-0.3ポイントの誤差見込み

範囲:15歳以上人口

出典:INSEE 雇用調査

INSEE "Informations Rapides" 4 juin 2009 - n° 152 (PDF:79.14 KB)新しいウィンドウ" ©Insee 2009

INSEEによると、無職で働くことを希望する者も急増している。09年第1四半期における「雇用に就いていないが、働くことを希望する者」は310万8000人に達し、08年第4四半期から30万7000人も増加している。こうした人々の一部は、ILO基準における「失業者」にはあたらない。ILO基準における失業者の定義では、「2週間以内に就労可能」「求職活動中」であることが条件となるが、INSEEの雇用調査では、これらの条件を外すことにより、ILO基準によると失業者にはならないものの、「失業に近い」状況にある人々の状況を明らかにしている。

表:無職で働くことを希望している者
四半期平均CVS(季節変動調整)データ
(単位:1000人)
無職で働くことを希望している者 2008年
第1四半期
2008年
第2四半期
2008年
第3四半期
2008年
第4四半期
2009年
第1四半期
(P)
二週間以内にすぐに働ける(1) 2219 2251 2276 2340 2618
前月に積極的求職活動 1901 1941 1966 2035 2332
前月に積極的求職活動なし 317 310 310 306 286
二週間以内にすぐに働けない(2) 460 455 489 460 490
前月に積極的求職活動 205 200 227 195 217
前月に積極的求職活動なし 255 255 262 265 273
無職で働きたい者全体(1)+(2) 2679 2706 2765 2801 3108
うち:ILO基準による非就労者 766 764 785 752 768
ILO基準による失業者 2679 1912 1942 1980 2048 2340

注1:(p)=仮データ

注2:積極的求職活動は、Eurostatの基準をもとに算出

領域:フランス本国、世帯の人口、15歳以上の人口

出典:INSEE雇用調査

INSEE “Informations Rapides” 4 juin 2009 - n° 152 (PDF:79.14 KB)新しいウィンドウ" ©Insee 2009

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