失業保険改革
―給付延長、給付対象者の拡張

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2009年7月

失業保険制度を改革するための資金供与が連邦政府から州政府に対して盛んに行われている。3月27日、ニュージャージー州に対して供与することが最初に承認(注1)されて以降、6月末までに26州への供与が決定した。供与額は州によって異なり、バーモント州の463万ドルからジョージア州の2億2028万ドルまでとなっている。アメリカ復興・再投資法(American Recovery and Reinvestment Act)に基づき予算化された70億ドルの資金から支出することになっており、現段階での供与決定の総額は14億ドルにのぼっている(表1参照)。

失業保険給付期間の延長も続々と決定している。通常の失業保険給付期間はほとんどの州で最長26週と定めているが、昨年の6月と11月には連邦議会において13週、20週それぞれ延長することが決定し、最長の給付期間は合計で59週となっていた。これに加えて4月13日、ミシガン州では20週の追加的な延長が決定し合計で79週となっている(注1)。4月末までに、カリフォルニア州、ワシントンDCで給付期間を20週延長することが決定され、アーカンソー州では13週延長されることになった。さらに、6月にはネバダ州とケンタッキー州で20週の延長が決定した。給付額は州によって様々であるが、例えばカリフォルニア州では週当たりの最低給付額が40ドル、最高額は450ドル、ニューヨーク州では最低額64ドルから最高額405ドル、マサチューセッツ州では最低額34ドル、最高額942ドルとなっている。

失業保険改革は、現行制度では受給資格のない低賃金労働者やパートタイム労働者への適用範囲の拡大にも着手されている。例えば、オレゴン州では給付額算定の基準が失業する直前の5四半期の最初の四半期を対象として決定され、直近の四半期は対象となっていない制度であった。このため従来の制度では給付の要件を満たすことができなかった労働者が6000人ほどおり、直近の四半期の全期間を対象として給付額を算定する方法に改正することになった。この制度改正について、テッド・クロゴスキ知事(民主党)が4月21日に署名し、7月1日から発効している。

出所:"Daily Labor Report”, March 30等より作成

参考文献

参考レート

  • 1米ドル(USD)=95.81 円(※みずほ銀行リンク先を新しいウィンドウでひらくホームページ2009年7月3日現在)

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