アメリカのフルタイム労働者の労働時間、一日平均8.1時間
―労働統計局発表

カテゴリー:労働条件・就業環境勤労者生活・意識統計

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  • 国別労働トピック:2009年7月

労働統計局は6月25日『アメリカの時間使い方調査(2008)』の結果を公表した。就業者全般の労働時間は2007年と比較してほぼ横ばいであるが、男性パートタイム労働者のみ2005年以降一貫して長時間化する傾向が見られる。また、食事の準備等に費やす時間は男女とも減る傾向が見られる一方で、子供等家族の世話に要する時間は男性が長くなり女性が短くなる傾向が見られる。この調査は人口動態調査(Current Population Survey)を基づいて行われている全国規模の調査で、15歳以上の1万2700人を対象に電話アンケートで実施したものである。2003年から毎年行われている。

今回の発表によると、アメリカで就業している労働者の労働時間は、平均で7時間35分、男女別では男性が7時間58分、女性は7時間07分となっている。雇用形態別では、フルタイム労働者が8時間03分、パートタイム労働者が5時間22分であった。また、男性フルタイム労働者が8時間16分、女性フルタイム労働者が7時間44分、男性パートタイム労働者が5時間28分、女性パートタイム労働者が5時間20分である。男性パートタイム労働者は2005年4時間51分、2006年5時間05分、2007年5時間11分というように長時間化してきている。さらに、食事の準備や自宅の清掃など家事に費やす時間を男女別にみると男性が2時間01分であるのに対して、女性が2時間35分、子供などの世話に関わる時間は男性が1時間43分(2007年1時間37分)であるのに対して、女性が2時間14分(2007年2時間23分)という結果が示された(図1参照)。25歳以上を対象とした学歴別の労働時間は低学歴ほど長い傾向が見られる。高校中退以下が最も長く8時間10分、ついで高卒、7時間52分、大卒で7時間25分となっている。高校中退以下と大卒以上を比べてみると、2007年から2008年にかけて高校中退以下が長時間化し、大卒以上が短時間化し格差が広がる傾向が見られる(図2参照)。

就業していない者も含めた一日の時間の平均的な使い方についても集計されており、24時間のうち、睡眠時間が8時間18分、ビジネスランチや求職活動時間も含めた労働関連の時間に4時間44分、余暇.スポーツに4時間37分となっている。余暇.スポーツのうち最も時間が長いのがテレビの視聴時間であり、3時間33分だった。また、年齢別の労働時間では男性の35~44歳層の6時間8分が最も長く、女性では45~54歳層が4時間11分で最も長い。

図1

出所:労働統計局資料より作成

図2

出所:労働統計局資料より作成

参考資料

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