派遣労働者、大幅減
―派遣労働・人材サービス連盟(BZA)調査

カテゴリー:非正規雇用

ドイツの記事一覧

  • 国別労働トピック:2009年6月

派遣労働・人材サービス連盟が3月に公表したアンケート調査結果で、経済危機による派遣労働市場の低迷が浮き彫りになった。とりわけ受注の落ち込みが激しい製造業では、昨年10月から今年2月までに派遣労働者の減少幅が20万人を超えた。解雇や契約期間満了による雇い止め、派遣元企業に戻った後に別企業に再派遣された者などが減少の主な要因だ。

自動車生産拠点の派遣業を直撃

昨年9月に80万人近くに及んでいた派遣労働者総数は、今年2月時点で約54万6000人に減少した。地域別に09年1月~2月の派遣労働者数の減少率をみると、BMWやフォルクスワーゲンなど自動車大手の生産拠点や下請工場がある5地域――ハノーバー/ブラウンシュヴァイク(マイナス7.4%)、ケルン(同7.4%)、ランズフート/インゴルシュタット(同9.4%)、東部バイエルン(同10.7%)、ニームニッツ/ツヴィッカウ(同11.2%)――で減少幅が大きく、ベルリン(同3.7%)やマグデブルク(同1.3%)や、フランクフルト・マイン湖畔(同3.2%)など大規模なサービス部門がある地域では比較的安定している。

需給ミスマッチ、深刻

労働者派遣業における需給のミスマッチも顕著になりつつある(図1図2)。アンケート調査では、派遣職種別に派遣先企業からの受注状況と派遣元企業の派遣労働者の求職登録状況の増減を尋ねている。その結果をみると、「金属.電機」では、調査対象企業のうち「受注が減少した」と回答した企業が72.7%、「増加」が2.1%、「横ばい」が25.2%だった。他方、「求職登録者が増加した」とした企業は57.0%に及び、「減少」は2.6%に過ぎなかった。また、需給のミスマッチが最も深刻なのが「補助労働者」で、「受注が減少した」とする企業が82.9%、「増加」が3.3%だったのに対し、「求職登録者が増加した」とする企業は88.9%に及び、「減少」は僅か1.9%だった。

図1 派遣職種別受注状況の変化

図2 派遣職種別求職者登録状況の変化

資料出所

  • BZA,Zeitarbeitsindex, Befragungswelle März 2009.

2009年6月 ドイツの記事一覧

関連情報