農民工が2億人を突破
労働社会保障部(4月1日より人力資源・社会保障部に改組)によると、農村部からの出稼ぎ労働者いわゆる「農民工」が、全国で2億1000万人に上っていることが明らかになった。2007年の農民工1人当たりの平均月給は1000元を突破しており、生活程度は改善しているという。また近年農民工に対する給与未払い問題も減少している。
他方、中華全国総工会は、農村部からの出稼ぎ労働者の組合組織「農民工工会」の会員が6000万人を突破したことを明らかにした。農民工工会は出稼ぎ農民の合法的利益を守ることを目標とする。同工会は2008年の主要活動方針として、農民工を合法的に加入させ、年内に会員をさらに1000万人以上増やし、総会員数を7000万人以上とすることを目指すという。出稼ぎに出る前に入会できるように手続きを簡素化し、飲食サービス、建築、鉱山、製造、繊維などの出稼ぎ農民が集中する産業及び企業で会員を増やすべく組織化の活動を展開する。
こうした中、「農民工」出身の3人が3月初旬に開催された第11期全国人民代表大会(全人代)代表に選ばれた。農民工が全人代代表になるのは初めてのこと。3人はいずれも女性で、上海市、広東省、重慶市から選出された。それぞれ服飾会社の労組副委員長、建材企業とコンピューター企業の現場副責任者を務めており、模範的労働者とみられる。
中国は昨年、出稼ぎ者の多い地域で農民工を代表に選出することを決定した。社会的弱者の声を国政に反映させる姿勢を示すものであるが、2億人に上る農民工の代表となったのはわずか3人であり、象徴的措置に過ぎないとの見方もある。
参考
- 時事ワールド、人民日報他
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