ジャワ島中部地震の雇用面への影響

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2006年7月

5月27日早朝に発生したジャワ島中部における地震災害の被害総額は約31億米ドルに上ると見られており、雇用面への影響については約13万人の失業者の発生が見込まれるものとなった。これに伴い、被災地域の失業率は地震前の7%から11%に上昇すると予想される。

世銀が公表した被災地域別の失業発生見通しは以下のとおりである。

被災による失業者数見通し、地域別)
地域 失業者数
ジョグジャカルタ特別州 60698
  ジョグジャカルタ市 4720
スレマン県 34043
バントウル県 5956
クロンプロゴ県 12081
グヌンキドウル県 3897
中部ジャワ州 67764
  プルウオルジョ県 47
マゲラン県 81
ボヨラリ県 333
クラテン県 67305
合計 128462

出所:World Bank, Preliminary Damage and Loss Assesment

地震災害の影響を最も受けたサービス部門では、地震による失業者の55%(約7万人)を占めており、その多くは自営業者や中小零細企業の労働者である。また、雇用者数の約45%を占める農業部門では約1.1%(約1万7000人)の失業が見込まれる一方、農地及び作物への影響は限定的なものとなった。そのほか、工業部門では同地域に多い零細・家内工業による工芸品製造で被害が大きく多くの失業発生が見込まれている。

被災地域の雇用回復のためには、同地域のインフラや文化遺産の再建にあたって失業者を労働力として活用するなどの支援プログラムが有効と見られる。また、これら地域ではマーケット(市場)で生計を立ている者の割合が高いため、マーケットの再建が特に急がれるところである。

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