チェコ/最近の賃金動向
―2005年の賃金上昇率がチェコ分離・独立後の最低水準

カテゴリー:労働条件・就業環境統計

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  • 国別労働トピック:2006年7月

チェコ統計庁が発表した2005年の月額平均賃金は約18903コルナ(668ユーロ)、前年比5.5%の上昇率(実質賃金は3.5%上昇)となった。

この上昇率は、昨年の実質成長率6.0%を達成と拡大が続くチェコ経済とは対照的に、92年のチェコの分離・独立以来の最低の水準となった。

業種別では、公共機関が8.9%と最も高く、次いで不動産・リースが8%、ガス・電気・水道が6.9%などである。他方、低い上昇率となった業種はホテル・飲食及び鉱業がともに2.8%、次いで卸・小売業が3.8%、製造業4.6%などとなっている。

国内経済の高い成長率に対し賃金上昇がスローペースになったことについて、関係者の評価は割れている。チェコ最大のナショナルセンターであるチェコ・モラビア労働組合連盟(CMKOS)の議長で社会民主党(CSSD)の議員を務めるミラン・ステッチ氏は低い賃金上昇率に不満を表明し、団体交渉による賃金アップを訴えている。他方、エコノミストからは現在の賃金水準が生産性の上昇に見合ったものであると指摘する向きも少なくない。

なお、6月5日に同庁が発表した2006年の第一四半期の平均賃金は、18903コルナとなり、前年比6.9%の上昇となった。実質賃金では4.0%の上昇となる。

また、最低賃金は2006年1月に改定され、5.4%アップの月額7570コルナとなった。7月にはさらに5%引き上げの7955コルナに改定される予定との新聞報道もある。

参考

  • チェコ統計庁HP、NNA

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