失業率の劇的な低下

カテゴリー:雇用・失業問題統計

デンマークの記事一覧

  • 国別労働トピック:2006年6月

デンマークの失業率は1990年代中期から年々低下の傾向を示しているが、デンマーク統計局の最新データによると2006年3月の失業率は4.8%であることが明らかになった。(表1)

失業率は2005年2月以降、失業者数は2万9千200人減少したことになる。2000年以降において失業率が最も高かった2003年12月に比べると、失業者数は4万7千300人減少したことになる。

表1:失業率の推移(対労働力人口比)(単位:%)
1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年
8.6 7.9 6.6 5.7 5.4 5.2
2002年 2003年 2004年 2005年 2006年*  
5.2 6.2 6.4 5.7 4.8

出所:Danmarks Statistik,

*2006年3月現在の失業率

若年失業者が激減

失業率の低下は特に若年者について顕著で、1996年には9.2%であった25歳未満の若年者の失業率は2006年にはOECD諸国の中でも最も低い水準である3.2%に減少。25歳未満の若者の失業者問題は解消されたともいわれている。また、同期間における25歳から30歳の失業率も13.5%(1996年)から5.7%(2006年)に減少している。

若年失業者の劇的な減少は、1996年に導入された「青年パック」と呼ばれる施策に拠るところが大きい。この青年パックは、25歳未満の失業者を対象にした施策で、(1)25歳未満の失業者で職業専門教育を受けていない者は、失業後遅くとも6カ月以内に「活性化サービス(注1)」を受け、就労の可能性を高める、(2)失業後6カ月以降の日割り手当給付は、従前の50%に削減の2点を骨子としている。1996年に9.2%であった若年失業率は、同制度導入3年後の1999年には4.7%、2006年には3.2%と大幅に減少した。(表2)

表2:年齢層別失業率の推移(単位:%)
  25歳未満 25歳-29歳 30歳-39歳 40歳-49歳 50歳-66歳
1996年 9.2 13.5 10.2 8.2 9.6
2006年 3.2 5.7 5.3 4.4 5.6

出所:Danmarks Statistik,

2006年6月 デンマークの記事一覧

関連情報