2005年、イタリアの成長率はゼロ

カテゴリー:雇用・失業問題統計

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2005年におけるイタリアの国内総生産の伸びは2004年の1.1%増から減速し、ゼロにとどまった。財政赤字の対国内総生産比は前年の3.4%から4.1%に増加する一方、基礎的財政収支黒字の対国内総生産比は前年の1.3%から0.5%に減少している。

ジューリオ・トレモンティ経済大臣は、この数値に満足の意を表明している。というのも、ここ数年楽観的な評価が続いただけに、イタリア政府は2005年の評価について慎重な態度をとっていたためである。実際、政府は、財政赤字の対国内総生産比を4.3%、国内総生産の成長を0%、基礎的財政収支黒字の伸びを0.6%と予想していた。「財政赤字の対国内総生産比が政府予想の4.3%を下回る4.1%であったことは、積極的に評価でき、私にとっても驚きだ」とトレモンティ経済大臣はコメントしている。一方、グリエルモ・エピファーニCGIL(イタリア労働総同盟)総裁は、「ここ5年間のデータは、資産や所得に対する減税および租税の優遇ならびに労働に関する権利の縮減によってイタリアを再出発させようという目論見が、失敗したことの証左である」として、政府の経済政策を批判している。

なお、2005年第4四半期における雇用状況に関するISTAT(国立統計局)のデータをみると、2005年の雇用は前年に比べて0.7%増加した(15万8000ポスト増)。ISTATの説明によると、「こうした結果は、正規化された外国人の戸籍登録が進んだことが大きく影響している」とのことである。ただし、労働ポストの増加がみられたのは、北部および中部であり、南部では2万ポスト減少している。

2005年第4四半期の労働ポストの提供は、2004年同時期に比べて若干増加した(0.1%増、1万7000ポスト増)。2005年第3四半期に比べると、0.3%の増加である。2005年第4四半期の就業者数は2268万5000人であり、この1年間に0.2%(5万6000人)増えている。また、2005年第3四半期と比べると0.2%の増加である。

一方、15歳から64歳までの就業率は、2004年第4四半期に比べて低下し、57.8%となった。求職者数は198万人であり、前年同時期に比べて1.9%(3万9000人)の減少である。失業率は8.0%で、2004年同時期に比べて0.2%低下したが、2005年第3四半期に比べると、0.1%上昇した。非活動人口(15歳から64歳)は、南部での増加が大きく影響して、さらに増える傾向にある(2005年第4四半期において12万5000人増)。

出所

  • Corriere della Sera紙(2006年3月1日・2日・21日付)

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