新蔵相就任、2006年の4.5%成長を公約

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  • 国別労働トピック:2006年5月

ルーラ大統領の選挙参謀を務め、大統領就任当初に任命されたアントニオ・パロッシ蔵相が、前市長時代からの汚職問題と、蔵相として政府や労働党の裏金資金作りや配布に関与したのではないかという疑惑により3月27日に辞任したが、後任に社会経済開発銀行総裁だったギード・マンテガ氏が就任した。就任式で新蔵相は、2006年のGDPを4~4.5%成長させる事を目標にすると発表した。中央銀行は2006年を最高3.5%と予想しており、この予想では選挙戦に不利だとして、政府と労働党内部から、高い成長率にするよう強い圧力が掛かったのではないかという憶測が流れている。財界やアナリストの間では、政府支出を拡大しようとする政治圧力によって、今年の政府財政はむしろ悪化するのではないかという見方が一般的だ。すでに、財政状況を無視する形で、選挙対策として引き上げられた最低賃金の支出がもたらす影響には、労働党の政府幹部までが憂慮を表明している。パロッシ前蔵相は、不正汚職に関与したとして、前市長時代を含め、検察庁から数10件も起訴されている。

公約通り高い成長率を実現できるかどうか、逆風の中での新蔵相の舵取りに注目が集まっている。

出所

  • 海外委託調査員・赤木数成

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