タクシン首相退陣デモがエスカレート、政局は混乱

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2006年4月

タクシン首相の家族保有の株式売買の問題などに端を発した、タクシン退陣要求運動が高まりを見せている。2006年3月には、首相官邸前の大規模デモ更新、退陣を要求した署名の提出、国王への新首相任命への直訴といった動きがあり、首都圏、南部での反タクシン勢力は増大している。タクシン首相退陣要求に対して行われた下院解散により、4月2日に実施された下院総選挙(議席500)では、野党の投票ボイコットが行われ、愛国党の議席独占となる模様。選挙に先立って、反タクシン派が不信任の意思表示として白票を投じるように呼びかけていた。首相は選挙前から与党が議席の半数以上を獲得しなかった場合には、首相を辞退するとも表明している。

3月6日に発表されたタイの私立大学の世論調査によると、バンコクでは首相辞任を支持する割合が半数に達しているといる(回答数2175人)。2月に実施した同調査では「首相辞任を支持する」とした人が14%、3月1日の調査では33.7%となっており、辞任支持の声が高まっている。

タクシン首相は選挙期間中も、支持者の多い地方の視察に専念し、農村部の貧困者支援政策に今後も力を入れていくことを強調していた。

世界女性デー、首相退陣を求め官邸前で女性団体がデモ行進

国際女性デーの3月8日には、女性労働団体の関係者ら約500人が、タクシン首相の退陣を求め官邸前でデモ行進を行った。

このデモで女性団体は、現政権が働く女性の出産にまつわる休暇に関しての基準の設定が不十分で、女性労働者権利保護、改善への意欲が見られなかったと主張。現政権の退陣を要求するとともに、退陣後の新政権には、企業・職場内での保育センター設置や臨時雇用の女性労働者の権利に配慮した対策を推進するように求めた。

参考

  • Bangkok Post,2006年2月、3月、週刊タイ経済2006年3月13日号
  • 経済2月20日号

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