2015年までに「大卒」失業者50万人を超えるおそれ

カテゴリー:雇用・失業問題若年者雇用

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  • 国別労働トピック:2006年4月

このほど公表された国家経済諮問委員会(National Economic Advisory Council :NEAC)の報告によると、2005年から2015年までの間に労働市場に参入する大卒者(注1)の数は579万人と見込まれる一方、大卒者向け求人は524万件に留まるため、残る55万人が就職困難な状況になると見られている。このため、彼らの多くは大卒に見合った職業に就くことをあきらめるか失業を選択することになると指摘する。また、短大、大学、大学院卒者の中では、特に短大卒の失業者の増加が見込まれており、35.4万人の失業者の発生が懸念されている。

NEACはこの原因について、大学進学者の増加スピードに対し大卒求人の増加が追いついていないことにあると見ている。90年には大学進学率は33.2%であったが、2004年現在は81.4%に達している。また、本来は卒業後就職する者がほとんどであった実業系の高校(Vocational High School)についても卒業者の大学進学が増加しており、90年に8.3%だったが現在(2004年)62.3%に達しているように驚異的なスピードで伸びている。

NEACの報告では、労働市場に参入する高学歴者の増加は続いているが、人材の面では(特に高いレベルの者)についてまだ遅れている面があると指摘している。韓国では教育投資のGDPに対する割合が7.1%とOECD諸国の中で最も高いものの、技術系や金融系の職員の国際競争力ではOECD加盟国(30国)中第20位となっている。こうした状況に対し、韓国産業連盟(Federation of Korean Industries :FKI)は、「大卒者のうち会社で求める知識や技術を身に付けている者は26%にすぎず、大卒者が急増する中で大学教育の質が十分でないためにこうした労働市場の不均衡が生じている」と見ている。

資料出所

  • Korea Employers Federation(KEF),Labor News

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