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ILO
2006年3月
 
   
・ 世界の雇用情勢に関する報告書を発表、失業者は増加傾向
   

世界の雇用情勢に関する報告書を発表、失業者は増加傾向

 ILOは2006年1月24日、年次報告書「Global Employment Trends」を発表した。本報告書では、ILOに加盟する170超の国を7つの地域に分け、2005年の雇用情勢を概説している。これに加え今回の報告書では、サービス業従事者の増加、自然災害後の雇用創出と労働市場回復の重要性等についても言及している。

経済成長と雇用・失業情勢
 2005年は全世界の国内総生産(GDP)が4.3%上昇するなど力強い経済成長が達成されたが、失業者は1億9180万人に上り、2004年と比較して220万人増加、95年と比較すると3440万人増加した。報告書の中でILOは、(1)失業者の数がかつてないほど増大していること、(2)失業者の約半数が15歳から24歳までの若者で、それらの若者が失業者になる可能性は大人の3倍であること――に注目している。失業率に関しては、2年連続で低下した後、2006年は2005年の6.3%の水準を維持した。

 経済成長が達成されたにもかかわらず、世界各国に5億人以上いるとされる極端な低収入労働者のうち、1人1日1ドルの貧困ラインを上回ることができたのは、1450万人に過ぎなかった。また2005年にはそれに加え、全世界の28億人以上の労働者のうち、14億人が1世帯1日2米ドルの貧困ラインから脱することができなかった。実はこの14億という数字は10年前と同じである。これを受けてILOは、経済成長だけでは世界の雇用ニーズに十分な対処ができないことが確認されたとして、新しい政策や活動の必要性を強調した。

 男女の就業格差に関しては、過去10年に縮小が見られたが、その差は依然として大きいと報告書は指摘した。成人女性の就業率は1995年には51.7%、2005年は52.2%となっている。なお、2005年の世界の労働力人口の中で女性が占める割合は約40%であった。

 労働市場における女性の活躍度は地域によって異なる。全体として見ると、1980年代から90年代初期にかけて女性就業者の数は増加傾向を続けてきたが、東南アジアや南アジアなどの地域では頭打ちになる一方、中欧、東欧(非EU諸国)、独立国家共同体(CIS)諸国、東アジア、サハラ以南のアフリカ諸国では減少傾向に転じている。しかし、中東と北アフリカの女性労働者数は非常に低いレベルから上昇を見せた。

サービス業従事者数の著しい成長
 報告書によると、注目に値する事実は、一部例外(中東・北アフリカ)を除いて、世界のすべての地域で全就業人口に占めるサービス業従事者の割合がこの10年間、上昇を続けたことである。今後もこの傾向が続けば、やがて最大の雇用創出源である農業がその座をサービス業に譲ることになる、と報告書は記している。ソマビアILO事務局長は談話の中で、農村から都会に出てくる貧しい人々の暮らしぶりに触れ、彼らには日雇い労働やスモールビジネスしか選択肢がなく、生活が改善される見込みが非常に低いとして、開発・成長戦略を練り直す必要性を指摘した。即ち、開発プロセスによって貧困の削減を目指すのであれば、政策立案者がその問題に対処しなければならないと主張している。


参考: ILOウェブサイト、ILO駐日事務所ウェブサイト
  1米ドル=116.29円(※みずほ銀行ホームページ2006年2月28日現在のレート参考)
   
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