成長と雇用のためのリスボン戦略に関する年次進捗状況報告

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  • 国別労働トピック:2006年3月

成長と雇用のためのリスボン戦略に関する年次進捗状況報告

欧州委員会は1月25日、2000年に策定され、2005年に改訂されたリスボン戦略(成長とより多くの良質な雇用のためのEUと加盟国の間のパートナーシップ)に関する年次進捗状況報告書を発表した。年次報告書は、同戦略のはずみを強化し、進展速度を速めることを目的としている。

欧州委員会は、欧州理事会が2005年に設定したマクロ経済、ミクロ経済、雇用に関する24のガイドラインに基づき、加盟国が初めて作成した国別改革プログラムを検証し報告書を作成した。加盟国が相互に学習するため、すべての加盟国の知識、経験および良いアイディアを活用することが、パートナーシプ・アプローチの中核となっている。欧州委員会は、相互学習に効果的な領域を特定し、加盟国が各国のプログラムから有益なアイディアを見つけることができるよう支援する。

進捗状況報告書は、3つの主要な要素で構成される。第1に、加盟国が2005年10月に提出した25の新しい国別改革プログラムを分析している。第2に、良いアイディアの交換を促進する観点から、各国プログラムの長所を明らかにしている。第3に、欠点のある分野に焦点を当て、それに対処するためのEUおよび加盟国レベルの建設的な行動を提案している。優先行動分野として、(1)教育、研究、発明への投資(2)中小企業の規制の撤廃(3)人々を仕事に就けるための雇用政策(4)安全で持続可能なエネルギー供給の確保――4つを挙げ、各分野で、欧州の指導者が3月のEUサミットにおいて2007年までに実行するよう誓約するための明確な提案を行っている。

雇用(人々を仕事に就けること)の分野に関しては、次の優先行動を掲げている。

  • 就業率の上昇を助け、高齢化社会の年金および医療費を支えるため、加盟国は、すべての年齢の人々が必要な支援を受けられる、雇用への生涯アプローチを採用すること
  • 学校や大学を卒業したすべての若年者に対し、2007年末までに失業後6カ月以内、2010年までに100日以内に、仕事、職業訓練または追加的訓練を提供すること
  • 負担可能で高品質な託児施設の設置に関する国別目標を達成するためのより強い努力および職場におけるジェンダー均等を実現し、ワーク・ライフ・バランスを促進すること
  • 勤労者生活を延長し、パートタイム労働を活用するために、45歳以上の人々に対しより多くの訓練、財政的インセンティブを提供し、「活力ある高齢化」を実現すること
  • 欧州委員会は、追加的な社会問題サミットを組織し、2007年末までに柔軟性と雇用の安定(フレキシキュリティー)の間の均衡に関する報告書を提出すること

出所

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