2005年の雇用増加は120万人と政府発表

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2006年3月

2005年の正式雇用増加は120万人

政府は2004年に150万人増加した正式雇用が、2005年は120万人増加したと公式に発表した。また2006年はGDPの回復および標準金利の低下を予想、また選挙手段としての政府投資の増加および選挙運動自体の雇用などにより、雇用は更に拡大すると見ている。しかし民間のアナリスト達は、正式雇用は増加しても、過去2年間に増加した雇用の90%は最低賃金の2倍(260ドル以下)の低い水準にとどまっており、しかも、政府や民間の投資拡大が雇用を増加させたのではなく、遊休設備の再利用が、新たな労働力を必要とした程度であると分析している。

雇用は上向きでも所得は低下

工業開発研究所は、ブラジル地理統計資料院(IBGE)の2002~2005年の公式資料を分析して、ルーラ大統領の政権3年間に、雇用はプラスとなったが、就労者の所得と、労働市場の質は改善されていないという分析を発表した。3年間に6大首都圏では非公式も加えて合計11.7%、年間平均3.8%増加した。人数では合計210万人、年平均70万人の増加であり、同研究所でも、かなりの水準の増加であると評価している。しかし平均所得は3年で11.2%、年平均3.7%ずつ低下となって、雇用が拡大した分は、収入が低下している。これは3年間に賃金水準の高い工業の雇用よりも、ハウスメイドのような賃金の低い雇用が大きく増加したことや、非公式雇用が増加したためであると分析している。

能力ある労働力には就職チャンス

就職斡旋会社は、2005年中続いた政治危機が、経済まで巻き込む危険性は薄れ、またサッカーのワールドカップと、10月の総選挙により、2006年の雇用は楽観が持てるという見通しを発表した。政府は選挙に向けて国家予算を可能な限り支出して、選挙直前に雇用を拡大する方針を取ると見られており、能力ある労働力にとっては、就職、或いは昇進のチャンスが出る年になると予測している。

参考

  • O Estado de Sao Paulo2006年1月1日

参考レート

  • 1米ドル=116.29円(※みずほ銀行リンク先を新しいウィンドウでひらくホームページ2006年2月28日現在)

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