長期就労ビザの発給条件、厳格化

カテゴリー:外国人労働者

オーストラリアの記事一覧

  • 国別労働トピック:2006年12月

2006年10月、バンストン移民相は長期就労ビザ(サブクラス457)を悪用し外国人を不当な労働条件で働かせる使用者が急増していることを受け、同ビザの運用規定を厳格化すると発表した。長期就労ビザは、保健医療や情報技術(IT)など一定の技術や能力を持つ外国人がオーストラリアで一時的(最長4年間)に就労する場合に発給されるものだが、最近では食肉加工業や建設業などの単純労働分野でのビザ発給数が急増、制度を悪用し外国人労働者を不当に働かせるケースが急増していた。バンストン移民相は「圧倒的多数の使用者は長期就労ビザを正しく利用している」としながらも、新たに導入する対策によって制度を不正利用する使用者に対し厳しい罰則を課すとの考え方を示した。

長期就労ビザをめぐる最近の動き

オーストラリアには、外国人役員・会社員や技術者のための4 年を上限とした長期労ビザ「サブクラス457」があり、申請手続きの簡素化にも取り組まれている。

長期就労ビザでの就労はオーストラリア統計局(ABS)が定めるオーストラリア職業標準分類(ASCO)に記載されている職種に限って許可される。2001年以降、同ビザで入国する労働者向けの最低賃金が設定されており、毎年見直が行われている。現行の最低賃金は、06年5月に行なわれた改定により、情報技術(IT)関連職=5万7300豪ドル(12.9%)、その他の専門職=4万1850豪ドル(7%高)となっている。

2006/07年度の受け入れ枠は約8万人の予定だが、西オーストラリア(WA)州政府は、現在の長期就労ビザの割当数では不十分と主張、連邦政府に対して割当数の拡大を要請した。

長期就労ビザによる受け入れが拡大していることについて豪労働組合評議会(ACTU)は海外に人材を求める前に国内の雇用に力を入れるべきとして、政府の姿勢を批判している。

出所

  • NNA

参考レート

関連情報