外国人労働者の現状(韓国移民労働者人権協会の調査結果から)

カテゴリー:外国人労働者

韓国の記事一覧

  • 国別労働トピック:2006年10月

韓国移民労働者人権協会が、300人の外国人労働者(ベトナム、スリランカ、モンゴル、インドネシア、タイ、フィリピン)を調査した結果、彼らが韓国に就労目的に入国するため平均160万ウォン(1759ドル)を費やしていることが分かった。これは正規に定められている料金の2倍以上となる。特にベトナム人の場合最も高く、3407ドルと正規669ドルの5倍以上となっている。

こうした高い費用を支払い韓国で就労できたとしても、同調査によると多くの外国人労働者が労働条件に満足していない結果となった。多くの場合正規の8時間労働を超え2,3時間の残業を強いられている状況にあり、さらに賃金は月平均84万ウォンと韓国の高卒平均賃金(注1)を大きく下回っている。調査対象者の42.5%は80万ウォン以下、14.6%は70万ウォン以下であった。

外国人労働者に対する人権侵害も発生しており、半数以上の調査対象者が韓国人の同僚に差別されていると回答し、さらに約3割がパスポートを経営者に提出させられていること、また経営者の暴力を受けた者もいる。こうしたことから約6割の者が職場を変わることを望んでいる。

韓国政府は2004年に雇用許可制度を導入し外国人労働者に韓国人と同等の権利を付与することとしているが、こうした調査結果を受けて同協会は「ほとんどの外国人労働者は韓国の法律を守っているのだから、彼らも社会の一員としてきちんと受け入れられるものにすべきである。」と主張している。

出所

  • Korea Times

参考レート

2006年10月 韓国の記事一覧

関連情報