外国人労働者、流入の増大に懸念

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2005年9月

外国人労働者の移入問題に関し、南洋工科大学(NTU)のリム教授はこのほど、労働コストの安い外国人労働力が大量に流入すれば、賃金引き下げ圧力が強まり、高い経済成長率の達成は難しくなるーーとした見解を発表した。

低賃金の外国人労働者受入れは慎重に

リム教授は、政労使3者で構成される全国賃金評議会(NWC)の初代会長でもある。同教授によると、「低賃金、未熟練の外国人労働者受け入れには、慎重を期すべき。高い経済成長率の達成には量的に多くの労働力が必要とした意見もあるが、供給過剰になると低所得者層の賃金低下をもたらしかえって弊害が大きい」と述べている。

一方、シンガポール国立大学(NUS)のタンガベル助教授は、「一般社員の年間給与は1990年から96年で6%増から10%増に上昇した。これはシンガポールが外国人労働者を多く受け入れた時期と重なる。一方、昨年の民間セクター全体の賃上げ率は3.6%にとどまっており、賃下げ圧力の高まりはシンガポールだけではなく世界的な現象」として、低賃金における競争は外国人労働者の移入に起因するものだけではないと反論している。

参考

  • 1日付ストレートタイムス

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