堅調な年金基金
株式市場における長期の低迷の影響はあったが、中期的にみると、閉鎖型基金の給付率は、退職手当(TFR)の評価率をわずかに上回った。さらに、2005年前半は、退職手当(TFR)を著しく引き離し、3倍の利率を記録している。2000年1月1日から2005年6月30日の間に、すでに事業を開始していた3つの閉鎖型基金(補足的保障制度の全加入者の約半数が加入)の業績についてみると、1.5%プラスインフレ率の75%を乗じて算定される退職手当(TFR)の13.5%を上回る給付率で年金給付を提供している。
この中で最も業績が良かったのはFondenergia(エネルギー関係。主としてENIグループ)の14.8%であり、その後をFonchim(化学および薬学)の14.6%、Cometa(冶金工業)の14%が続く。また、Fondenergiaは、2005年前半の業績で見ても給付率8.1%とトップであった。この時期の基金による給付率の平均は4.5%、また、退職手当(TFR)の評価率はわずか1.4%である。
2005年前半における閉鎖型基金の状況は順調である。24の基金(補足的保障制度加入者の98%をカバー)に調査を行ったところ、同期間の平均的なパフォーマンスはネットで4.5%であった(退職手当(TFR)は1.3%)。ただし、外貨商品だけは退職手当(TFR)の水準を達成できていない。2005年前期では、Fondenergiaの8.1%に続き、Fopen(ENELグループの企業金庫)の株商品が7.9%である。
退職手当(TFR)に関する委任立法案は、加入者の選択により保険料を様々な投資商品に分ける可能性を認めているが、多くの基金は、この新制度を喜んで受け入れてはいない。ジョルジオ・ヴァルゾルガーLaborfonds(トレンティーノ・アルト・アディジェの金庫)理事は、「加入者には自覚的な選択が要求され、我々には運営上の問題が伴う。こうした選択を行うのは金庫側であるべきだ」と主張している。
参考
- Corriere della Sera紙 2005年7月18日付
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