労使関係改革法案をめぐる広報バトル続く

カテゴリー:労使関係

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  • 国別労働トピック:2005年9月

労使関係改革法案をめぐり、広報バトルが続いている。政府改革案に反対するACTU(オーストラリア労働組合評議会)は、抗議イベントを開催するなど抗議キャンペーンを展開している。「ユニオンNSW」(ニューサウスウエールズ州(NSW)の新しく命名された先端組織)が主導したオリンピック公園で開かれた抗議イベントには約4万人が参加した。「最後の週末抗議ピクニックデー」と宣伝され、テレビでも放映されるなどメディアにも多くとりあげられた。労働組合はキャンペーンの焦点を選挙へと移行させ、差し迫った改革に不安を感じている労働者の揺れに影響を受けやすい地方の自由党メンバーへ圧力をかける戦略のようだ。

このような状況を受け、首相は新しい広報特別委員会を設置することを決めた。これは首相が労使関係論争により直接的に介入することを意味する。特別委員会は保守色の強い自由党員で構成される予定で、反組合運動の色彩が強い。このメンバーの一人アンドルー・ロブ氏は、政法案の起草に非常に時間がかかり過ぎることを批判、ピーター・コステロ蔵相もACTUの「誤った主張」は、プロセスをより複雑にしており、法案の起草に要する時間のために「情報の空白」から生じる労使関係への影響があることを指摘している。

一方ACTUは、政府が国民の税金2000万ドルを使い自らの宣伝キャンペーンでACTUのキャンペーンに対抗することを提案していることに対して、高等裁判所に異議申し立てを行った。政治目的に納税者の資金を使うことは明らかに適切でないと主張している。この異議申し立ては、結果的に成功しなかったが、法案に注意を引くことに効用があった点では成功したと言える。

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