欧州委員会、若年者対策に関する報告書を発表

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  • 国別労働トピック:2005年7月

欧州委員会は、2005年5月30日、「若年者に関する欧州の政策」と題する報告書を発表した。これは、2005年春の年次欧州理事会(EU首脳会議)で採択された欧州若年者協定(European Youth Pact)に基づくものである。同協定は、欧州の若者に関する教育、訓練、労働移動、職業統合、社会的包含に関する状況を改善し、仕事と家庭の両立の実現を目指すものである。

報告書は、欧州における若年者の失業率は、全体平均の2倍以上となっており、若年層はとりわけ貧困の危機に瀕していると指摘する。同時に、人口動態の変化は、少ない若者が大量の引退世代の負担を引き受けなければならなくなることを示している。若年者は、将来の労働力であり、欧州が成功するために必要な研究能力、発明、企業家精神の将来の源泉を形成するものである。これらの目標を達成するために、若年者は、高度の教育訓練を通じて知識、技術、能力を身につけなければならず、貧困な生育過程や社会的排除などの障壁は除去されなければならない。

2005年春に改正されたリスボン戦略に基づき、加盟国は、成長と雇用を実現するための行動計画を盛り込んだ国別改革計画を秋までに作成する。欧州委員会の報告書は、加盟国が若年者協定を行動計画に反映させる方策や欧州レベルの若年者対策に焦点を当てている。

欧州理事会は、協定を成功させるためには、若年者の関係団体、若年者自身などの関与が必要であるとしている。報告書は、協定を実行する方策を発展させるために加盟国に若年者との協議を促している。欧州委員会も、インターネットを通じた協議を今夏に開始し、若年者のほか、欧州委員会委員、欧州議会議員、政策担当者などが参加する催し「Youth takes the floor」を2005年末に開催する予定である。

包括的な若年者対策は、EUのその他の分野の政策やプログラムとも密接に関わる。

参考

  • 欧州委員会ホームページ

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