5月1日、ジャカルタでは…

カテゴリー:労使関係労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2005年6月

わが国では毎年5月1日はメーデーあるいは労働者の日と呼ばれているが、インドネシアの労働者にとってもこの日は「レーバー・デイ」である。2005年のこの日も各地でデモンストレーションが行われた。人々は「レーバー・デイ」を国の休日とするよう政府に求めるとともに、労働条件の向上、労働者の権利の保護を訴えて通りを行進した。

「レーバー・デー」は1951年、スカルノ政権時代に休日とされたが、その後スハルト政権下で平日の扱いとなった。この日、首都ジャカルタでは約4000人がホテル・インドネシア前のロータリーに集い、大統領公邸まで行進した。約3百人の非武装の警官が監視する中、様々な労働団体が参加して集会が開かれた。集会に参加した労働者たちがユドヨノ大統領(その場にいたわけではないが)に対して最も強く訴えたのは、もっと高賃金の仕事がほしいということであった。ある労働組合幹部によれば、一般の労働者の月給は60万ルピ(63USドル)~70万ルピだが、これでは「まともな生活はできない」。労働者たちの要求は月に100万~200万ルピである。

集会では14項目の要求リストを掲げた。その中には「レーバー・デイ」の休日化、労働者の解雇の抑止、契約社員制度の廃止、2003年第13号労働法の撤廃などが含まれている。特に2003年第13号労働法に関しては、その内容が雇用主が業務を外部委託(アウトソーシング)することを容認するものであり、労働者の雇用の安定を損なうとして労働組合は従来から批判的である。今回の集会でも、活動家たちからは「アウトソーシングの契約社員制度は一般労働者の雇用を奪う」、「労働市場の柔軟化政策は労働者にとって致命的だ」といったコメントが聞かれた。

この日はジャカルタのほかスラバヤ、バンドン、スラカルタなどの大都市でデモが行われた。それぞれ何百人もの人々が参加したと伝えられている。

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