若者の4人に1人以上が失業中、求められる雇用対策

失業問題が大きな懸案となっているインドネシアだが、とりわけ若者の状況は深刻だ。2002年の若年者(15~24才)の失業率は27.93%(ILO、2004年。以下同じ)。若者の4人に1人以上が働いておらず、仕事を探している状態にある。

若者の失業率は、都市部(30%)で地方部(25%)より高い。また高学歴者ほど失業率が高い傾向がある。

学歴別・若年者の失業率(%)
受けた教育 1990 2000 2002
学校に通わなかった 2.2 3.9 15.1
小学校未満 2.5 7.4 18.7
小学校 3.1 12.4 21.9
中学校 7.8 18.2 28.0
高等学校 27.3 33.9 41.1
大学・専門学校 31.4 35.8 39.4

資料出所:ILO(2004年)

若者の失業対策として政府が導入したのが企業家の育成プログラムである。人的資源省による若年者専門企業家育成(Young Professional Entrepreneurship Development)プログラムでは、次のような若者が対象となる:高学歴で、能力が高く、企業家としての意欲があり、家業又は事業施設を有し、新事業の創出が可能であること。このほか、学校中退者や地方部の居住者で生活向上を望む者などが対象となるという。

いずれにせよ、失業中の若者のうちきわめて限られた範囲しかカバーされない点は否めない。より包括的な政策が必要であることはいうまでもない。また、安心感があり持続可能な仕事(decent and sustainable jobs)が与えられることが必要である。国内には、ここ数年閉鎖されたままである職業訓練機関・学校の再開を求める声もあるという。

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