ILO超ハイレベルチームがミャンマー強制労働案件について声明を発表

カテゴリー:労働法・働くルール

ILOの記事一覧

  • 国別労働トピック:2005年3月

昨年11月の第91回ILO理事会決議に基づきソマビア事務局長が任命した超ハイレベルチームは2月21日~23日、ミャンマーを訪問し、声明を発表した。理事会決議による今回の超ハイレベルチームの使命は、強制労働撤廃に向けたミャンマー当局の姿勢評価及びILOとの協力継続意思の確認。派遣団は、ニニアン・スティーブン元オーストラリア総督を団長とし、ルート・ドライフス元スイス連邦大統領、チョン・エイヨン韓国国会議員(元ILO理事会議長)――の3名により構成された。

超ハイレベルチームの派遣に先立ってミャンマー当局は、派遣団の趣旨を十分把握していた。だが、派遣団到着時点で、国民会議に関連した諸般の理由により、派遣目的の完遂に必要な会合が日程に組み込まれていなかったことが判明。このため派遣団は、労働大臣及び首相との会談で見解表明した後、「現段階では、具体的な改善策に関する技術レベルの詳細な議論をする意味がない」と判断した。その上で超ハイレベルチームは、現在審議中の以下の項目を明らかにした。

  1. 国防省に対し同省指揮下の部隊への強制労働撤廃に関する指令の発布を求める1/99号補足令に実効性を持たせるための行政執行命令の発行及びその周知
  2. 強制労働に関する合同行動計画の合意事項に関する当局の実行意思の再確認及び調整役の特定、軍に関する申立てを扱う軍内ハイレベル・フォーカルポイントの任命
  3. ILO連絡担当官の移動の自由に関する当局のコミットメントの再確認
  4. ミャンマー人民が強制労働に関する苦情申立てを行う可能性についての信頼醸成のための追加的措置の実施(ILO事項に関連して有罪判決を受けたものに対する大赦の付与や深刻な強制労働事例に対する解決を含む)

超ハイレベルチームは、3月開催の次期ILO理事会に、報告を提出する予定。同報告に基づき次期理事会は、審議を行い、対ミャンマーへの制裁決議を継続するか、あるいは強制労働撲滅に向けた技術協力を進めるかを検討する方向だ。

関連情報