政府の貧困撲滅運動、順調に推移
ベトナムの飢餓撲滅・貧困削減のためのナショナル・ターゲット・プログラム(HEPR:Hunger Eradication and Poverty
HERPは15の関係省庁が実施する9のターゲティング・プログラムの総称。2000年からの貧困世帯比率の推移を見ると全国平均でマイナス8.38ポイントとなっている(表1)。
2000年 | 2004年6月 | 削減率 | |
---|---|---|---|
1. 北西地域 | 22.35 | 11.61 | 10.74 |
2. 北東地域 | 33.96 | 18.55 | 15.41 |
3. レッドリバーデルタ地帯 | 9.76 | 6.51 | 3.25 |
4. 北部中央地域 | 25.64 | 14.22 | 11.42 |
5. 中央沿岸地域 | 22.34 | 10.36 | 11.98 |
6. 中央高原地帯 | 24.90 | 12.99 | 11.91 |
7. 南東地域 | 8.88 | 2.95 | 5.39 |
8. メコンデルタ地帯 | 14.18 | 7.89 | 6.29 |
全国平均 | 17.18 | 8.80 | 8.38 |
HERPを主管するベトナム労働・傷病兵・社会問題(MoLISA)は、地域に応じて月収に基づく貧困測定基準を設定している(表1)。プログラムが順調に推移していることから貧困測定基準を都市部1人当たり月収25万ドン、農村部同20万ドンに改定することを予定している。中でもホーチミン市は改善が著しいことから貧困の定義を年間所得600万ドンとすることとしている。
地域 | 現行基準 | 改定案 |
---|---|---|
都市部 | 月収15万ドン | 月収25万ドン |
農村部 | 月収10万ドン | 月収20万ドン |
山岳地帯 | 月収 8万ドン | 改定なし |
HEPRの概要
HEPRは、医療、教育、少数民族及び被災者に対する支援、居住支援、生産用具・土地支援等の「支援政策」と「プロジェクト」(表3)で構成されている。支援政策には、地方予算から総額1兆6000億ドンが計上されている。プロジェクトについては、4兆6400億ドンの予算が計上されており、その大部分は国家予算から拠出される。
表3:HEPRプロジェクト
- 貧困世帯に対する信用貸付
- 事業、農業及び林業に関する相談指導
- 貧困地区における飢餓撲滅・貧困削減モデルの確立
- インフラ整備
- 農産物、非農業技術開発、小規模産業及びサービスを対象とする生産支援
- HEPR担当者に対する指導
- 貧困地区内の新経済地域における移住者の定住
- 貧困地区における農業の定着及び定住
- 小規模雇用創出プロジェクトを対象とした融資
- 職業訓練
- 労働市場に関する統計資料の収集及び情報システムの確立
- 雇用管理に携わる担当者に対する指導
参考文献:国際協力銀行ウェブサイト
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