ジーメンス、営業所に「週37時間制」導入

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2005年2月

ドイツ電機大手のジーメンス社で、国内営業所の従業員およそ8000人に対する週37時間労働への時間延長(現行は週35時間)について、同社とIGメタル(金属産業労組)および同社中央事業所委員会が1月25日、合意に達した。延長に見合う賃金の増額はない。この延長と引き換えに、対象となる従業員には2009年までの雇用が保障される。

今回の労働時間延長は、ジーメンス社としては、昨年6月にノルトライン・ヴェストファーレン州の一部事業所で実施して以来の導入となる。前回と同様、延長にあたっては、金属産業労働協約で定める週35時間労働に対し、同社とIGメタル(金属産業労組)および同社中央事業所委員会が「補完協約」を結ぶ形で導入を可能にしている。当事者は、合意にこぎつけるまでに3回にわたる交渉を行った。

補完協約では、週37時間制実施のほか、クリスマス手当および休暇手当を業績・成果に比例する手当に置き換える措置を導入すると会社側はコメントしている。今回対象となる8000人のほか、同社営業所で働く12000人については、別会社化された営業サービス部門で別の労働契約を結んでいた(1998年以降すでに週37時間制を取り入れ、業績・成果手当も導入済み)が、今後、同じ労働条件に統合される予定だ。

今回の延長について、IGメタルは、年間総労働時間として1575時間を取り決めたとし、それを週労働時間に換算すると35.8時間になると説明している。これに加え、年間50時間の資格取得のための訓練時間を設けており、その時間については「個別の資格取得のニーズが、本人、上司および事業所委員会の間で調整されなければならない」としている。

1月27日に任期を終えて退任したジーメンスのハインリッヒ・フォン・ピエール社長は、今回の合意について「われわれの国内の職場および(産業)立地の安定と競争力維持に寄与するものだ」とドイツにおける雇用を尊重する考えを示した。同社はドイツ国内で16万4000人を雇用しているが、全社的な業績は好調なものの、27日に発表した2004年第4四半期決算(10~12月)では、携帯電話端末事業の大幅な赤字がクローズアップされていた。

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