外国人花嫁や経済的弱者の自立支援のための政府による各種免許取得奨励策

カテゴリー:人材育成・職業能力開発

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  • 国別労働トピック:2005年12月

国家技能検定・免許テスト受検奨励のための政府による特別戦略

台湾国民の配偶者で諸外国および中国本土出身の人々(大多数は女性で外国人花嫁と呼ばれることが多い)が技能検定・免許テストに応募する数が近急増している。就職しやすい料理や補助看護師などの資格への応募が特に多い。

そういった背景の下、労働市場におけるこれらの人々の雇用を円滑に推進し、その家庭生活の向上を支援する目的で、労働委員会(CLA)中央地区事務所は現行の法律と規則のもとで、2005年から外国人花嫁の国家技能検定・免許テスト受験を奨励するための特別戦略を採択した。中央地区事務所は台湾の地方自治体のもとにある旧労働部が改称されたもので、台湾の行政改革計画に基づいて雇用訓練局(BEVT)から技能テストの業務を継承している。

「職業訓練法」に従い起草された「技術者検定・免許規則」第10条によれば、同一の職種と級のもとで「ペーパーテスト」と「実地テスト」の両方に合格してはじめて「合格者」とみなされる。これが、2006年以降はペーパーテストか実地テストのいずれかに合格した場合「合格者」となり、その結果は3年間適用されることになる。

外国人花嫁や本土からの花嫁にとって、標準中国語のペーパーテストを受験するだけの読解力を有することが困難である場合が多いため、少しでも負担を軽減できるよう配慮し、中央地区事務所は、「料理」と「補助看護師」の2職種について標準中国語でのペーパーテストを「口頭で」受験申請できるよう特別措置を採用した。

上述の特別措置は同じ理由に基づき、視覚障害者や上肢に障害のある人、知的障害者も、テスト時間の20分間の延長、大活字のテスト用紙、指示の説明、テスト用紙への直接の記入などを含めて、テストの際の特別の便宜やサービスが要請できるようになる。ちなみに現行の「技能検定試験実施管理規則」の下、ペーパーテストの受験時間は、100分間で、マークシート方式による高感度な読み取り機械を使用して採点を行っている。

また、経済的マイノリティーへの技能検定・免許テストの受験を奨励するためCLAは、社会福祉支援の対象者である障害者、先住民族、働く上で障害がある人、天災により被害を受けた人のために、1年以内であれば登録料の補助を申請することを認めている。

台湾における国家技能検定・免許テストの現状

台湾の国家技能検定・免許テストは、1974年に初めて実施されたが、当時の受験職種は1種類のみで、2449人が受験した。2005年8月末時点で技能テストの職種は合計161種にまで増え、受験者は累計で631万5588人にのぼっている。合格率は約50%、これまでにCLAが交付した検定証と免許証は総計で316万4588件であり、その内訳はA級が9406件、B級が32万9132件、C級が282万6050件となっている。毎年3回実施されるが、2005年においては、A、B、C各級の合計150職種について技能検定・免許テストが実施される。

国家技能検定・免許テストの受験者は、「技術者検定・免許規則」または「職業訓練法」に基づくいくつかの特殊グループに限定されない。CLAの中央地区事務所は、試験前に検定・免許の職種、試験の回数や試験日等についての関係情報を公表しており、毎年12月ウェブサイトに受験情報を掲載している。また同事務所は行政院の管轄下にある政府広報部とも協力して国家技能検定・免許テスト関連の活動を推進し、技能検定・免許テストのレベルを引き上げ、産業技能の向上に役立てている。ちなみに2005年の第3回国家技能検定・免許のペーパーテストは11月20日に実施された。今回の対象職種は、仮縫い、中華料理、補助看護師等を含む57の職種であった。

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